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NHKが10月1日に始めた新ネットサービス「NHK ONE」で、移行手続きをしようとした視聴者が認証コードを受けとれないトラブルが発生し、SNS上に不満の声があふれた。そして多くの人が指摘しているのが「移行期間」がなかった点だ。
ここでいう移行期間とは、新サービスへの移行時に一時的に新旧のシステムを併存させ、トラブルの防止や業務への影響軽減を図るオーバーラップ期間とみて良さそうだ。とくにコンシューマー向けのサービスで移行手続きが必要な場合などは、サーバー負荷や利用者の利便性を考慮し、余裕のあるスケジュールを組むことが多い。
しかしNHKの場合、10月1日の放送法改正に合わせるためか、移行期間なしのいわゆる“一斉移行方式”を採用した。一斉移行方式は、コストは安くなる反面、いざ障害が発生すると、その影響が大きくなるというのが一般的な見方だ。
X上でも「移行期間を設けないで完全切り替えなんてするからだよ」「移行期間一切無しで問題なく移行できるわけないじゃんと思っていたけど、まさに想定通り」「オーバーラップなしのシステム移行でないのはなんらかのやまれぬ事情があったと推測されるが、アカウントだけでも事前移行手続きできてればよかったのに……」など一斉移行を疑問視する声は多い。中には「NHK ONEが10/1一斉移行でトラブってるのはNHK法の建て付けの悪さだよね(たぶん)」とみる投稿もあった。
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またトラブルの原因については「おそらくは大量にメール届くからGmail側がbanしてると思われ」「そりゃ同じサーバーから一度に大量送信されたら攻撃とみなすやろ!」といった投稿が目立つ。NHKは原因を調査中としているが、ネットサービスに慣れた人たちにとってトラブルの発生そのものは“想定内”だったようだ。
さらに「NHKプラス」からNHK ONEへの移行ではサービスの空白期間も生じていた可能性がある。NHKは1日の午前0時にNHKプラスのサービスを終了したが、X上では「日付が変わっているというのに(NHK ONEは)『10月1日からです』と表示されていた」という投稿が複数確認できた。
電波を“送りっ放し”の放送と違い、通信は双方向。その伝送路上には様々な企業のサービスが介在する。どこかにボトルネックが生じた時、しわ寄せを受けるのは視聴者だ。NHKはなぜ高リスクのスケジュールを組んだのか、視聴者に説明する必要がありそうだ。
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