
身近な足である都営バスが、10月のダイヤ改正で206便の減便を行いました。広く叫ばれている運転手不足は、東京でも深刻化しているようです。
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都営バス減便「運転手がいない」南波雅俊キャスター:
都営バスは人手不足により、10月から全126路線のうち19路線、206便を減便しました。(平日・土・休日)
品川、新宿、上野、葛西駅など多くの人が利用する駅を発着する路線バスが減便の対象となるということです。
山内あゆキャスター:
私は車を持っていないので、公共の交通機関を利用しますが、バスは電車でカバーできない地域をフォローしてくれるので助かっています。
日比麻音子キャスター:
駅から少し離れた場所にある病院や役所など、歩くとなると結構な距離があります。特に夏はバスがないと命に関わる問題になると思います。
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南波キャスター:
都営バス以外にも「人手不足」を理由の一つに、減便しているバス会社があります。さらに「従業員の処遇の改善」などを理由に運賃も上がるということです。
<関東バス>
・2025年8月に減便
・2024年3月に運賃10円UP
<小田急バス>
・2025年春に約100便 減便(土日祝日便 含まず)
・10月から運賃10円UP(従業員の処遇改善のため)
<国際興業バス>
・10月16日から6便減便(利用者が少ない便が対象)
・10月から運賃10円UP(運転士の待遇改善のため)
<東急バス>
・2025年76便 減便
・10月から運賃20円UP(※現金の場合 / 従業員の処遇改善のため)
<西武バス>
・10月から2〜4%減便
・6月から一部地区で運賃10円UP(待遇改善による人件費増加のため)
利用者にとっては苦しくなるかもしれませんが、深刻な問題を解決するための手段としては仕方がないのかもしれません。
南波キャスター:
バスの運転手不足は、地方でも深刻な問題となっています。
▼富山地方鉄道
2024年5月に高速バス5路線 60便を運休。
「修学旅行」のバス運転手確保のためだったということで、すでに予約があった高速バスについては料金の払い戻しを行ったということです。
▼北海道・釧路市の小学校17校
例年9月に修学旅行を実施していましたが、観光シーズンと重なるため、旅行会社から断られてしまったといいます。
別の旅行会社が「合同開催で閑散期なら運転手が確保できる」ということで、閑散期の10月と11月に、小学校17校を2〜5校にグループ分け、行き先・宿泊場所も同じ“合同修学旅行”としたといいます。
専門家によると、バス業界での人手不足の理由には「給与面」や「休暇が取りづらい」といった点があるということです。
例えば、運転手が体調不良になっても、バス自体は運休できないため、本来休日だった運転手を駆り出さなければなりません。
流通経済大学の板谷和也教授は「いかに働きやすい環境を作れるか…。賃上げして人員を確保するためにも運賃の値上げもやむなし」といいます。
日比キャスター:
都内のバスは乗車区間が短くても長くても、同じ料金だったりします。
この問題は何年も議論が上がっていますが、なかなか解決策が見つからない状況です。なり手へのモチベーション改善や運転手の環境の改善は必要だと思います。
私は小さなことかもしれませんが、バスを降りるときに必ず「ありがとうございます」と運転席に言うようにしています。
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南波キャスター:
板谷教授によると、バスが遅れたときに乗客から「なぜ遅れるのか」と言われるなど、精神的な部分も離職に繋がることもあるということです。