「昭和の野球」でチームを立て直す。ロッテのサブロー新監督(49)が8日、ZOZOマリンで就任会見を行った。今季は首位ソフトバンクに31・5ゲーム差をつけられ、借金28の最下位。苦しい1年を終えたロッテを再び上位へと導くため、現役時代の監督である山本功児氏のもとでたたき込まれた「厳しさ」と「情熱」を胸に、若手中心のチームを徹底的に鍛え直す覚悟だ。
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チームを変える決意を語った。サブロー監督は「今年はダントツの最下位ということで、チームづくりは難しくなると思います。でも、甘さを取り除いて厳しい練習をしていく。若い選手が多いチームなので、来シーズンは羽ばたけるようなチームにしたい」と力強く言い切った。「厳しくやっていきたい」と何度も口にし、その目には本気の色が宿っていた。
背番号「86」は、現役時代に師事した山本功児監督の番号。「功児さんは本当に熱い方で、朝から晩までずっと練習に付き合ってくれる監督でした。そこは自分もマネしたい」と敬意を込めた。当時を振り返り、「キャンプはめちゃくちゃ嫌でした。オフが早く終わって、もうキャンプ始まるのって思うくらい。それぐらいきつかった」と苦笑い。それでも「この子たちには挑戦のキャンプにしてほしい。やるべきことをやって、結果がついてくれば一番いい」と前を向いた。
新監督の合言葉は「昭和の野球をやろう」。2軍を率いた今春キャンプではその精神を前面に押し出した。宮崎・都城で若手を徹底的に鍛え上げた。全体練習後の正午から午後6時まで、ひたすらバットを振らせたという。「その練習に耐えたことで、1年間けがをする選手が少なかった」とサブロー監督は胸を張る。
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厳しさの裏には、熱い優しさもある。「功児さんも、ユニホームを脱げばすごく優しい。でも、着ると人が変わるくらい厳しかった。ただ、やることをやればとことん付き合ってくれる。自分もそんな熱い監督でいたい」。
指導者としての覚悟もにじませる。「嫌われたくないっていう指導者もいると思うけど、僕は全然嫌われても構わない。強い選手になるためにこういうのをやらそうとか考えながらやっているつもり」とキッパリ。「最終的な目標は優勝ですけど、1つ1つ階段を上りながら少しでも多く勝利できたら」。勝利のために、あえて試練を与える。【星夏穂】
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