
体調不良そのものよりも、そのときに浮き彫りになる「思いやりのズレ」や「温度差」に、モヤっとした経験はありませんか? 今回は、体調不良をきっかけに家族や周囲との関係に揺れた3人のママのエピソードを紹介します。
エピソード1:学校で「風邪ひいたらアナタのせい!」落ち込む息子
アイ(仮名)さんは30代前半のママです。息子のユウマ(仮名)は小学1年生。ある日、ユウマくんがひどく落ち込んだ顔で帰宅しました。聞けば、隣の席のリノ(仮名)ちゃんに「風邪をうつされたせいで週末の予定が台無し!」と責められたとのこと。ユウマくんは咳も熱もなく、鼻水が少し出ていただけで、マスクをして登校していました。
リノちゃんは次の週末にアミューズメントパークに行く予定だったそうです。数日後……リノちゃんの風邪が悪化し、咳をするようになりました。すると、「ユウマくんのせいだ!」と再び責め始めたそうです。その会話を聞いていた前の席のヒロカズ(仮名)君が「僕も週末にお出かけできなかったらリノちゃんのせいだからね。リノちゃんは咳が出てるのにマスクもしてないよね」と言い出したそうです。

その日のうちに双方の話を聞いた先生から電話がありました。アイさんは昨日のやり取りを先生に伝え、ようやく誤解が解けましたが……正直、「鼻水が出たら、学校は休むべきなの?」と戸惑ってしまった出来事でした。
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エピソード2:<夫、体調不良でカツ丼?>「あっさりした食べもの」をお願いしたのに!?
カオル(仮名)さんは夫のフウタ(仮名)、小学2年生の息子コウヘイ(仮名)の3人家族です。ある日、カオルさんは朝から熱を出してしまい、夕食を作る元気もありませんでした。そこでフウタさんにコウヘイ君を夕飯に連れて行ってもらい、「帰りにあっさりしたものを買ってきてほしい」とフウタさんに頼みました。

うとうとしている間にふたりが帰宅。カオルさんが冷蔵庫を開けると、そこにはどーんとカツ丼が! さらにその隣には冷やし担々うどんまで。重い! 辛い! 胃に優しいものを頼んだつもりだったのに……と、カオルさんは思わずモヤッとしてしまいました。

翌日、カオルさんは職場のパート仲間にこのことを話すと、「あるある!」と共感の嵐。熱があるときにハンバーグ弁当を買われた人、ゼリー嫌いなのにプリンとゼリーを買われた人……夫婦の“思いやりのすれ違い”って、意外と多いのかもしれません。フウタさんのなかではどうやら“風邪を引いたとき=元気が出るもの”という認識だったようです。思いやりはあったものの、少し方向がズレていたようです。
<夫、体調不良でカツ丼?>熱を出した私「あっさりした食べもの」お願いしたのに!?【第1話まんが】
エピソード3:微熱で寝込む夫。38.6度の私こそ横になりたい!
ユキエ(仮名)さんは30歳。夫シンヤ(仮名)と、4歳のハヤト(仮名)、2歳のムツミ(仮名)と暮らしています。先週から子どもたちの発熱が続き、夫婦で交代しながら看病する日々が続いていました。ようやく落ち着いた矢先、今度はユキエさんが38.6度の高熱に……。体が重く、夕飯を作る気力もありません。そこへ仕事から帰ってきた夫が「俺も微熱ある(37.3度)」と言って、さっさと布団へ。


「は? 微熱じゃん……私だって横になりたい!」そう心の中でつぶやきながら、冷凍ご飯をレンジでチンしてツナマヨ丼を作りました。もう、それが精いっぱいでした。
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ところが、子どもたちは「おいしい!」とまさかの大絶賛! ユキエさんは「もっと手を抜いてもいいんだ」と感じ、この日から肩の力を抜いて日々を乗り切ろうと思うようになったようです。
<子どもの風邪で夫ダウン>母は強し?夫は?「微熱じゃん……私だって横になりたい!」【前編まんが】
体調不良は、家族の人間模様が分かる時
風邪ひとつで起こるすれ違い、誤解、そして思いやりの形。「体調不良」という出来事の裏には、それぞれの家族の関係性が浮かび上がります。
風邪をうつしたと責める子どもに戸惑い、カツ丼を差し出されて苦笑いし、微熱の夫にため息をつきながらも家事をこなす……。どの家庭にも“うちだけじゃない”と思える瞬間があるはずです。体調を崩したときこそ、少し立ち止まって「お互いさま」「ありがとう」を伝え合うタイミングなのかもしれません。
文・岡さきの 編集・編集部
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