《週50万人に拡大の懸念も》初期症状が軽い「隠れインフル」が急増中…感染爆発で“トリプル感染”の危険性

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2025年10月23日 11:10  web女性自身

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厚生労働省は10月17日、インフルエンザの定点当たりの報告数が前週に比べて1.5倍増になったと発表。



全国の報告数は9千74件と、昨年同時期の4千391件を大きく上回っており、感染が広がっている。



「今年、インフルエンザの全国的な流行期入りは10月3日と、昨年(11月8日)より1カ月以上早くなりました。記録的な酷暑や、大阪・関西万博に伴う外国人観光客の増加などが背景にあると見られています」(全国紙記者)



いとう王子神谷内科外科クリニック院長・伊藤博道さんは現在の流行状況について次のように話す。



「当クリニックでは、例年より早く7月から子供を中心に感染者が出始めました。8月は増減を繰り返していましたが、9月に新学期が始まると再び子供の感染が増加。10月に入ってからは大人の感染者も増加しており、現在は週に20人程度の陽性者が出ています」



早くから広がりはじめたインフルエンザが、じわじわと拡大傾向にあるという。今後の見通しについて、伊藤院長はこう指摘する。



「昨年は11月から感染者が増えはじめ、12月前半の寒波でドカンと急増しました。現時点ですでに昨年より陽性者が多い今年は、寒波の到来と共に昨年以上に増える可能性もあるため、注視しています」



昨年は、12月23〜29日の1週間にインフルエンザ患者報告数が31万7千812人にのぼり、現在の集計方法になって以来、過去最高を記録。



今年はこれから低温・低湿度のウイルスが生存しやすい気候になっていく過程で、その数字が40万人、50万人と更新されても決しておかしくないのだ。



異例の感染拡大をもたらしている要因のひとつに“隠れインフルエンザ”の存在があるという。



「インフルエンザというと、一般的に、強い倦怠感や38度以上の高熱、頭痛や関節痛などの症状をイメージしますが、この秋の段階で陽性者に多く見られる症状は、熱も37度台前半で、咳や咽頭痛がある程度。検査をしなければ、普通のかぜと診断されるような患者が少なくないのです。



たとえば、家庭内で子供の感染者が出た場合、大人の方が寝込むほどではないからと、市販薬を服用しながら出勤し、周囲に感染を広めてしまうケースもあるようです」(伊藤院長、以下同)



また問題なのは、初期症状が重くないからといって、決して「軽いまま終わるとは限らない」点だ。



「感染初期に抗インフルエンザ薬を服用すれば、ウイルスの増殖をある程度防ぐことができます。しかし、治療開始が遅れると、こじらせて肺炎を併発したり、咳症状が悪化して気管支炎になったりする恐れがあります。お子さんの場合はインフルエンザ脳症を起こして記憶障害が残るケースも。



また当院の患者さんには、回復後も咳ぜんそくの症状が続き、長く通院している方もいます」



もちろん、本人が軽くすんだとしても、誰かに感染させた場合、相手が重症化することもある。



さらに気がかりなのは、ここ数年、さまざまな感染症が同時流行し、相乗効果ならぬ“相乗悪化”を招きかねないことだという。



「現時点でも、新型コロナの患者さんも少なくありません。昨日はコロナ、今日はインフルが多かった、というように拮抗した状態です。週に1人は“ダブル感染”している患者さんも出ています」



そのうえ、昨年から百日咳の流行が続いており、今年に入ってからの感染者はすでに過去最多の8万人超を数えている。



「当クリニックでも、1日に1人は百日咳の陽性者が出ていますから、まだ収束したとは言えない状態です。つまり、今から冬にかけて“隠れインフル”を引き金に感染が爆発すれば、コロナと百日咳の“トリプル感染”という方が出てきてもおかしくないのです」



そうなると、症状は当然つらいものになることが想定される。



「今年のインフルエンザは咽頭痛や咳症状が強いので、百日咳とダブル感染しただけでも、気管の炎症がひどくなる危険性があります。最悪の場合は、気管から出血した血液が気道を塞ぎ、窒息死することも考えられます」



“隠れインフル”を侮っていると、取り返しのつかない事態に発展することも起こりうるのだ。特に重症化リスクが高いのは、高齢者や乳幼児、妊婦。そして基礎疾患のある人だという。



「なかでも、ステロイドや免疫抑制剤を使用している方は、免疫機能が低下しているので要注意。また、アレルギーや重篤な臓器障害疾患がある方は、感染しても抗ウイルス薬を服用できない場合や、無効な場合があります。



ですから、『自分は元気だから感染しても大丈夫』ではなく、重症化リスクの高い人に感染させない心がけがとても重要です」



では、感染しない、させないためには、ワクチン接種の検討のほか、どんな対策が必要なのか。伊藤院長が強調するのは、基本的な感染対策の徹底だ。



「インフルエンザウイルスは、感染者がくしゃみや咳などをした際に飛び散る飛沫を吸い込むことで感染します。ですから、満員電車など感染リスクが高い場所ではマスクを着用する。なければ、ハンカチで鼻と口を押さえておきましょう」



そのうえで、こまめな手洗いやうがい、歯磨きや入浴などで、付着したウイルスをすみやかに除去することを心がけよう。



加えて、日々の生活習慣も見直しておきたい。



「まずは、質のよい睡眠をしっかり確保することが大切です。食事では、ビタミンB群やビタミンC、タンパク質などをバランスよく取ることで、皮膚や粘膜のコンディションが保たれ、ウイルスへの抵抗力も高まります」



体調が優れないときは、外出を控えて医療機関を受診すること。私たち一人ひとりの心がけが、感染爆発を食い止めることにつながるのだ。

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  • インフル?なんちゃらウイルス?コロナ?色々あるけれど…急に寒くなって…不意にくしゃみや咳だって出るかと。拡散防止で咳エチケットは各自しようよ、お互いにね…そう思う。
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