
制服にハーフパンツやパーカーを導入する学校が増えるなか、最近ではアイテムや色も好きなものを選べ「100通りの組み合わせができる」制服も。その狙いは?
【写真を見る】なぜ?中学・高校で「100通り制服」が増加…生徒主導で「ユニクロ既製品」OKも【THE TIME,】
「自分好みのコーディネート」で楽しく東京・墨田区にある『安田学園中学校・高等学校』。
着ているものを見てみると…スカートの柄やシャツやベストの色、ネクタイやリボンの柄も生徒によって違います。
思わず「どれが制服?」と思ってしまうほどですが…
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「全部どれもちゃんとした制服」(高校1年生女子)
「僕らが入ったときからデザインが変わって、バリエーションのある制服が選べるようになった」(高校3年生男子)
以前は有名デザイナーが手掛けた“季節ごとに1種類ずつ”の制服でしたが、2023年に制服をリニューアル。
▼シャツ⇒ホワイト・サックス・パープルの3色
▼スカート⇒チェックの柄や色味が違う3種類
▼ベスト⇒ネイビー・白の2色
▼リボン&ネクタイ⇒無地×ワンポイント・ストライプ柄の各2種類
などなど色々と組み合わせることができ、その数は「100通り以上」です。
生徒からは「“洋服と似たような感覚”を楽しめる」「他校の子から“写真映えしやすくて可愛い”って言われた」などと好評のようですが、そもそもなぜ組み合わせが100通り以上もある制服を取り入れたのでしょうか?
『安田学園中学校・高等学校』田島瑠里恵さん:
「一番上にあるものを取ってくるわけではなく、『選んで着る』という社会人になった時の練習のためにも、種類を豊富にして毎日楽しく“自分の好みのコーディネート”で登校してほしい」
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パーカーを制服に導入した福岡の『精華女子高等学校』(福岡市)では、
パンツスタイル・スカート・キュロットと好きなスタイルを選べ、さらには色違いのシャツ、リボン、ネクタイにセーターやベストなど「約600通り」の組み合わせができるとのこと。
大阪の『梅花高等学校』(豊中市)や青森の『五所川原第一高等学校』(五所川原市)でも2026年4月から制服をリニューアルし、100通り以上のコーディネートが出来るようになるといいます。
こうした制服の新スタイルについて、現役中高生はどう思っているのでしょうか?
<100通り制服は、いる?いらない?>
「いろんなのを着たい。毎日同じだと“飽きる”」(高2女子)
「遊びに行くときに“友達と一緒に合わせたり”できる」(高1女子)
「毎日色んなの着られて、“考えるだけで楽しい”」(高1女子)
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一方で、「いらない派」からは…
「朝“選ぶのに時間かかる”から2・3種類でちょうどいい」(高3女子)
「“同じ学校って分かりにくい”と不便かな」(中2女子)
50人中「いる」⇒25人、「いらない」⇒25人と意見が分かれる結果となりました。
「普通ってなんやねん」ユニクロを制服に“子どもたち自身が話し合って”「100通り」をはるかに超える組み合わせの制服を導入した公立中学校もあります。
生徒が着ているのはパーカーやポロシャツ。しかもグレーにオレンジ、青、緑などカラフルな色のバリエーションです。
実はこれ…「ユニクロで売っている服」。
大阪の『泉大津市立小津中学校』では、2023年からボトムスやシャツ、セーターにカーディガンやパーカーなど、“ユニクロの既製品”を制服にしているのです。
ブレザーやジャージなどと組み合わせた数は…
3年生女子:
「私が入学した時点でも“10万通り以上”はあった。めちゃめちゃあって数えきれない」
一体なぜ、ユニクロを制服としたのでしょうか?
大達 雄先生:
「校則見直しの活動が生徒主体で立ち上がって、“一番見直したいものが服装”と。“子どもたちが話し合って”『ユニクロの商品を活用したらいいんじゃないか』となった」
制服に追加する服は季節ごとに話し合って決めているとのことで、放課後に図書室をのぞいてみるとタブレットを見ながら真剣に意見を交わす20人ほどの生徒たち。
「スウェットとかを入れちゃったら『え?』ってなるかな…。どう頑張ってもゆるく見えちゃうから」
「それはちょっと、ちゃうよね」
「結局“制服感ってなんやねん”みたいな」
色の制限なども特にないといいます。
3年生女子:
「『黒白グレーが普通やろう』っていうけど、“普通ってなんやねん”」
ここまでくると、もはや「私服」でいいのではとも思いますが、そこは違うようで…
「“制服感”は中学生としては欲しい」(1年生女子)
「“小津中感”はあるけど“個性”も出したい。わがまま叶えちゃった(笑)」(1年生女子)
保護者からは「私服との流用ができる」「帰宅したあと着替えないでそのまま家で過ごせる」などの意見がある一方で、色々なものを着たいという子どもの声に応えると「制服代はトントン」との声も。
それでも学校側は、“生徒自身が制服を選ぶ”意味を大切にしています。
大達先生:
「“一つ一つの選択の積み重ね”が自分たちの自信であるとか“子どもたちの大きな力”になっていくと思う」
(THE TIME,2025年10月22日放送より)
