
寒い時期に布団を温める道具として古くから使われてきた「湯たんぽ」。電気やガスを使わないため、エコな暖房器具と言われています。しかしお湯を沸かすことを考えると、果たして本当にエコなのか、他の暖房器具とも比較して検証してみたいと思います。
また、最近の“進化版湯たんぽ”も併せてご紹介しますので、自分に合ったものを見つけてみてください。
●湯たんぽはエコじゃない?
湯たんぽは、沸かしたお湯を容器に入れて、その湯温で体や足などを温める暖房器具です。表面が波型になっている金属製の湯たんぽが一般的になっていますが、現代はプラスチック製やゴム製、ポリ塩化ビニル(PVC)製など、さまざまな素材のものがあります。
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湯たんぽは、一度加熱したお湯を入れれば、使用中は電気やガスを使いません。そのため光熱費の節約になると思われていますが、熱いお湯を用意するために、水道代とガス代がかかる点を考慮する必要があります。
●湯たんぽの光熱費を試算してみた
実際に湯たんぽを使う際、ガス代、水道代がどのくらいかかるのか試算してみましょう。
湯たんぽの容量は2Lとします。2Lのお湯を沸かすためのガス代は約4.6円です(※1)。水道料金は1Lあたり0.24円(※2)として計算すると、2Lで0.48円です。
・ガス代4.6円+水道代0.48円=5.08円
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水道光熱費の合計は約5円となりました。
●電気あんか・電気毛布と比較してみた
湯たんぽ以外に布団を温める暖房器具として「電気あんか」と「電気毛布」があります。湯たんぽと比較するために、それぞれの電気代を求めます。
電気あんかの電気代
電気あんかの消費電力は60W程度のものが多いようです。
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・60Wの平型の電気あんかの1時間あたりの電気代
強=約0.32円、中=約0.21円、弱=約0.08円(電気料金目安単価31円/kWhで計算)
使用モードを「中」で8時間使用したとすると、約1.68円になります。
電気毛布の電気代
電気毛布の1時間あたりの消費電力量を30Whとすると、1時間あたりの電気代は約0.9円となります。使用モードによって1時間あたり0.4円〜2円と幅があります。
1時間あたり0.9円として8時間使用したとすると、7.2円になります。
●一番エコなのは「電気あんか」
「湯たんぽ」「電気あんか」「電気毛布」の中で一番光熱費が節約できるのは、「電気あんか」となりました。
電気あんか>湯たんぽ>電気毛布の順で節約効果が高くなります。
●FPがおすすめ「エコな湯たんぽ」
容器に熱したお湯を入れるタイプの湯たんぽは、やかんの水を沸騰させるためのガス代がかかり、意外と“エコ”ではないことが分かりました。
しかし、湯たんぽにはさまざまな種類があり、お湯を沸かす必要のない湯たんぽも多く販売されています。
電子レンジ対応湯たんぽ
電子レンジで温めるタイプの湯たんぽは、お湯を沸かす手間が省け、電気代も約1.3円程度(※)で済むので経済的です。
電子レンジ湯たんぽの中身は、水のほかにもジェルや小豆、セラミックビーズなどがあります。中でもジェルタイプは柔らかい感触が特徴で、水を入れるタイプと違い、中身を入れ替える必要がないのも魅力です。
商品によって、サイズや保温時間に違いがあるので、目的に合わせて選ぶようにしましょう。
電気湯たんぽ
お湯の入れ替えが必要ない湯たんぽとして、電気湯たんぽも注目されています。蓄電した後はコードレスで使える蓄電式と、バッテリー接続で使用する充電式があります。
・蓄電式
・大きくて重いものが多い。使用しているうちに段々と温度が下がる。就寝時の使用に向いている。
充電式
・コンパクトで軽いものが多い。バッテリーにつないでいれば温度は一定。持ち運びに便利。
電気代は1回の蓄電で2円〜3円程度かかりますが、その後は電気を使用しないのでエコと言えるでしょう。
●まとめ
電気あんかが一番エコであることが分かりましたが、数円程度の違いなので、そこまで気にする必要はないかもしれません。湯たんぽには電気あんかにはない良さもあります。
湯たんぽはお湯の熱でじんわり温めるため、空気を乾燥させず、自然な温もりによって体を芯から温めます。肌触りの良いカバーを付ければ、安心感や温もり、リラックス効果も得られるでしょう。また、電源が不要であるため、停電時やアウトドアなどでも使えます。
スイッチ一つで手軽に使える電気あんかにするか、電源を使わず自然な温もりを楽しめる湯たんぽにするか――。自分のライフスタイルに合った“あったか就寝アイテム”を選んで、この冬の夜を快適に過ごしましょう。



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