日本原燃の使用済み核燃料再処理工場=5月30日、青森県六ケ所村 日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)に、東京電力の使用済み燃料が約890トン保管されていることが31日、分かった。日本原子力発電の燃料約180トンがあることも判明。再処理工場には使用済み燃料が計2968トンあるが、事業者別の受け入れ量が明らかになったのは初めて。
市民団体「核のゴミから未来を守る青森県民の会」の質問状に対し、10月7日付で青森県が東電などからの説明として回答した。
2026年度中の完成を目指す再処理工場が操業すれば、使用済み燃料からプルトニウムの回収が始まる。核兵器の原料にもなり得るため、日本は平和利用原則の下、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料などの利用目的がなければ保有しない方針を示している。
東電、原電の原発は再稼働しておらず、MOX燃料を使うプルサーマル発電の見通しも立たないため、「利用目的のない」プルトニウムを抱える状態が懸念される。
回答の中で東電は県に対し「確実なプルトニウム消費を基本に、自社のいずれかの原子炉でプルサーマルを実施する方針だ」と説明。一部のプルトニウムは、全炉心でMOX燃料を使う電源開発大間原発(青森県大間町、建設中)に供給して利用することを想定しているとした。
原電も「自社で保有するプルトニウムを自社の責任で利用する考えに変わりはない」と説明していた。
取材に対し、東電は県への説明と同じ内容を回答。原電は「時期は未定だが、敦賀原発2号機と東海第2原発でプルサーマル発電を実施する予定だ」とコメントした。