プルトニウム、安定消費に課題=プルサーマル、実施4基のみ

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2025年11月01日 07:31  時事通信社

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時事通信社

MOX燃料が入った輸送容器(資料)
 エネルギー資源に乏しい日本では原発から出た使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料として再利用するのが基本方針だ。ただ、MOX燃料を軽水炉で使うプルサーマル発電は現状4基にとどまり、プルトニウムをどう安定消費するかが課題だ。

 電気事業連合会によると、日本は昨年末時点で国内外にプルトニウム約44.4トンを保有。日本原燃が2026年度中の完成を目指す再処理工場(青森県)がフル稼働すれば、年間約6.6トンが新たに生まれる。

 一方で、プルトニウムの安定的な消費は見通せない。電事連は標準的なプルサーマル発電で1基当たり年間約0.5〜0.6トンの消費を想定し、30年度までに少なくとも12基での実施を目指している。担当者は「12基程度で計6.6トンのプルトニウムを消費できる」と話すが、現状でプルサーマル発電が可能なのは4基だけ。東北電力は女川原発3号機(宮城県)で実施予定だが、再稼働に必要な原子力規制委員会の審査も未申請だ。

 全炉心にMOX燃料を使える電源開発大間原発(青森県、建設中)は最大で年約1.7トンのプルトニウムを消費する。30年度の運転開始を目指すが、同社の倉田一秀副社長は9月、「厳しいのが正直なところだ」と工程延期を示唆した。

 原子力委員会がプルトニウムの保有上限を47.3トンと定める中、一気に減らすのが難しいのが実情だ。ある青森県議は「プルサーマルは進まないと思う。プルトニウムは必要なくなる」と話した。 

このニュースに関するつぶやき

  • プルサーマル燃料は不良品多いし、原子炉に負担かけるからやめとけ。大間も、もう劣化しているんじゃないの?
    • イイネ!2
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