中国、レアアース規制撤廃=農産物の報復関税停止―米
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2025年11月02日 15:02 時事通信社

【ワシントン時事】米政府は1日、10月末に韓国で実施された米中首脳会談の合意内容を公表した。中国がレアアース(希土類)の輸出規制を「事実上撤廃する」ことに加え、対立激化の火種となった輸出規制強化の導入も延期。米国が合成麻薬「フェンタニル」の流入を理由に中国に課す関税を10%下げ、中国は米国産の鶏肉や小麦、大豆などの農産物に対する最大15%の報復関税を撤回する。
米政府の「ファクトシート」によると、レアアース規制では、中国が半導体などの先端品に不可欠なガリウムやゲルマニウム、グラファイトなどの輸出許可を出す。中国が2022年10月と25年4月に導入した規制を「事実上撤廃する」とした。同10月に公表した輸出規制強化の導入も延期する。
ホンダがメキシコで自動車生産を停止した要因となった中国系半導体企業ネクスペリアによる半導体供給の停滞については、「中国政府が(供給)再開を確実にし、適切な措置を講じる」と明記した。米国は9月に公表した同社などへの輸出制限を1年間停止する。
米政府は、農産物への報復関税を含め「中国は3月4日以降に発表した全ての報復関税を停止する」と表明。中国が3月以降、報復措置として導入した非関税障壁も停止・撤回する。米国が合成麻薬の流入を理由に中国に課す関税は20%から10%に半減。中国は特定原料の北米輸出を停止する。
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