インドはアフリカへの出荷基地=商船三井・現地法人代表

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2025年11月02日 20:01  時事通信社

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時事通信社

インタビューに応じる商船三井インド法人の池田裕マネージングディレクター=10月10日、ニューデリー近郊
 【ニューデリー時事】造船業の増強に乗り出したインドは、アフリカや中東向け製品輸出の出荷基地としての重要性が高まっている。インド事業に注力する海運大手・商船三井の現地法人代表、池田裕マネージングディレクターがインタビューに応じ、「インドは国際海運のハブになり得る」と、潜在力の高さに言及した。

 インドの輸出品のうち、大きな割合を占めるのが石油製品や自動車だ。インド洋の中心に位置し、西部のナバシェバ(ムンバイ)やムンドラといった港湾の拡張が進んだことで「地理的重要性も高まっていく」と語る。

 商船三井はインド人の船員を雇い、インド企業向けに運航する同国籍船を保有。地場の国営エネルギー企業と仕事をする上で強みだという。

 インドの完成車輸出台数はコロナ禍明け後、年平均1割増加。中東に次いで2番目の出荷先であるアフリカ向けは約25万台で、うち商船三井が5割以上を輸送している。

 コロナ禍前、インド生産車は海外メーカーの国際分業の一部として欧州や米州向け輸出が多かった。「ここ3〜4年で中東とアフリカへの供給拠点という位置付けに劇的に変わってきている」といい、インド寄港船も爆発的に増えていると話す。

 インド洋を囲む海運業は「さまざまな場面で印僑企業が出てくる」と述べ、地域におけるインド人の存在感に舌を巻く。

 商船三井は8月、横浜市で開かれた第9回アフリカ開発会議(TICAD9)に合わせ、自動車大手スズキや貿易情報連携システムを手掛けるトレードワルツと印アフリカ間の自動車輸送の課題解決に向け協業する覚書を交わした。輸送に必要な書類の電子化を含む解決策を検討する。

 池田氏は「インドからアフリカに至る巨大経済圏のサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化や連結性向上に貢献する具体的な第一歩だ」と強調した。 

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  • ここは、配当目当てで長期保有している人が多そう。
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