
人工知能(AI)支援機能を備えたクラウドベースの統合開発環境「Replit」のAIエージェント「Replit Agent」や、GitHubのAIコーディングアシスタント「GitHub Copilot」を使えば、人間のプログラマーが一から書くよりも速くコードを生成することができる。その半面、AIエージェントを使って生成したコードは、人間のプログラマーがチェックする必要がある。
では、人間プログラマーは、他に何ができるのか。AIエージェントに雰囲気(バイブ)で作りたいものを伝え、AIエージェントにプログラミングを任せる開発方式「バイブコーディング」が一般化していく中、人間のプログラマーが生き残るためにはどうすればいいのか。
●AI時代に人間のプログラマーが生き残るために必要な能力は?
1.使用するプログラミング言語やフレームワークを決定するための知識
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Replit AgentやGitHub CopilotをはじめとしたAIエージェントは、指示されたことしか実行できない。使用する言語やフレームワークの選定といった基本的な事項の決定は、引き続き人間のプログラマーの判断が必要だ。ただ、人間のプログラマーがAIエージェントに指示して、特定の用途に適した言語を提案させることはできる。
人間のプログラマーは、プログラミング言語のメリットとデメリットを認識し、それに従っていつ、どう使うか、情報に基づき判断するスキルが求められる。
2.創造性
AIエージェントは、既存の情報をパターンに沿って処理、複製している。過去にやったことがないことを、一から発明するのは苦手だ。
Perplexity AIに、「オブジェクト指向プログラミングのようなプログラミングフレームワークが存在する前に、AIがそうしたフレームワークを創造することは可能だったか?」と質問したところ、長文が返ってきた。その末尾には以下の内容が書かれていた。
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「オブジェクト指向プログラミングが発明された当時の状況では、AIがそうしたフレームワークを作り出すことは不可能でした。現在のAIは、コードを生成して改善を提案することはできるものの、依然として既存のパラダイムやデータの上に構築されており、何もないところから全く新しいものを発明しているわけではありません」
人間がAIよりも優れているのは創造力だ。従って、人間のプログラマーは過去に存在したことがないものを思い付くスキルを磨くことが大切だ。創造力は、新しい料理や工作を学ぶ、詩を書くといった創作活動に取り組むことで少しずつ培うことができる。
3.将来発生する課題を解決できるようにするための能力
コーディングやデバッグといった基本的な業務は初級レベルのプログラマーの仕事と言われてきた。しかしこの作業がAIエージェントの仕事となる日も遠くはない。ハードウェアと電力の使用量で計算すると、AIエージェントは人間のプログラマーに比べてコストが掛からない。文句を言わないし、休暇も不要だ。配慮しなければならない人格上の制約もない。
こうした点からも、AIエージェントは開発現場で欠かせない存在になりつつある。しかしAIエージェントには、人間の知識や創造性を完全に置き換えるにはまだ越えなければならない壁がある。
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そこで人間のプログラマーは、将来に向けたスキルを育成することが必要となる。新技術の設計や実装に照準を据える力を身に付けていくこと、まだ表面化していない課題に対応するための新しい方法論や技術を構築する力を養うといった具合だ。
4.分析スキル
新しいナレッジを生み出し、他人も利用できるようにするためには、高度な分析力や統合的思考力が求められる。さまざまな情報を結びつけ、新しい知識を創出できる能力を鍛えることが不可欠だ。
AIが人間のコーディング業務を補完していく一方で、人間のプログラマーの価値は創造力、分析力、戦略的な判断力といった領域に集約されていく。
本記事は米国Informa TechTargetの記事「Developers and vibe coding: 4 survival tips in the AI age」を翻訳・編集したものです。一部、翻訳作業に生成AIを活用しています。

