
PCゲームの販売・配信プラットフォームである「Steam」が7月にストアで販売するゲームに関する基準を変更して以来、成人向けコンテンツを中心に配信停止になったり審査に通らなくなったりするケースが相次いでいます。しかも、その範囲は広がっているようです。
例えば、英Sakura Studiosが開発した「Aftermath Z: Red Pine Lake」というホラーゲームもSteamの審査を通りませんでした。その理由が、ストアページの扉絵(イメージ画像)に使われていた女性の後ろ姿だというのです。その女性はワンピースタイプの水着を着用しているのですが、そのお尻が性的とのことでした。
Sakura Studiosが不服を申し立てたところ「女性の臀部にフォーカスした画像は、彼女が何を身に着けていようとも性的な性質を持つ」という回答があったそうです。確かにお尻が目を引く画像ではありますが、キャラクターに焦点を合わせるのは普通のことなので、何を着ていてもダメと言われてしまうと、もう女性の後ろ姿は使えないことになりませんか? Sakura StudiosはXに「もう、うんざり」と投稿していました。
もちろんSteamのストアを見れば、より過激なイメージ画像を使用したゲームが多数あります。Sakura Studiosがそれらを踏まえて改めて抗議したところ、Steam側の担当者が変更され、その担当者の判断により審査を通ったそうです。よかったと思う反面、Steam側のブレブレな対応が気になります。
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そもそもSteamが規制を強化した背景には、Collective Shoutという非営利団体と、そこから圧力を受けたクレジットカード会社などが関わっています(詳しくは過去記事を参照してください)。あくまでも勝手な推測ですが、ボクには今のSteamの審査が、彼らのような思想を持つ特定の個人が、気に入らない作品を規制の対象にしているような気がしてなりません。場当たり的に対象を選んでいるから、基準があいまいで、Steamの対応もブレブレに見えるのではないでしょうか?
そしてもう一つ、もとはアダルトコンテンツに対する規制であったものが、今回そうではないホラー作品に波及した点も気になります。詳しくはマンガで紹介していますが、セクシー表現や暴力表現が含まれている他のゲームでも削除や審査に通らない状況になるケースが相次いでいます。
こうなってくると、どこまでも規制が広がっていくのではないかという懸念も当然出てきます。このまま進むと、例えば過去の名作が規制で遊べなくなったり、作る側が規制を気にして自由にゲームを作れなくなったりする未来が来ても不思議ではありません。理不尽な表現規制はいつまで続くのでしょうか。ボクも正直「うんざり」です。
●著者紹介:サダタロー
1998年にテレビ番組「トロイの木馬」出演をきっかけに漫画家デビュー。代表作は「ハダカ侍」(講談社、全6巻)、「ルパンチック」(双葉社、1巻)、「コミックくまモン」(朝日新聞出版、既刊7冊)など。現在、熊本日日新聞他で4コマ漫画「くまモン」を連載中。Pixivはsadataro、Twitterは@sadafrecce。
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●連載:サダタローのゆるっと漫画劇場
漫画家のサダタローさんが、世界初の電脳編集者「リモたん」と一緒に話題のアレコレについてゆる〜く語るまんが連載。たぶん週末に掲載します。連載一覧はこちら。過去の連載はこちらからどうぞ。
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