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2025年11月12日 17:41 ITmedia NEWS
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朝日新聞社と全日本写真連盟埼玉県本部は11月9日、共同で主催したフォトコンテスト「第42回埼玉県写真サロン」で、最優秀賞となった作品の授賞を取り消した。SNS上では海外のストックフォトサイトに受賞作と酷似した画像があると話題になったが、過去の作品についても“ストックフォト疑惑”が持ち上がっている。
取り消された受賞作は、カエルの頭にトンボがとまった瞬間を捉えた「俺の頭だぞ!」という作品。選評では「被写体のおもしろさだけでなく、確かな撮影技術と構成の巧みさで、不思議な魅力と親しみを兼ね備えた作品になりました」などとしていた。
しかし全日本写真連盟によると、授賞後に外部からの指摘を受けて確認したところ、受賞者から「自分が製作していない作品を応募した」と説明があったという。この作品は9月に埼玉県立近代美術館で展示された他、朝日新聞埼玉版に2度に渡り掲載されていた。
埼玉県写真サロンは誰でも応募できるフォトコンテスト。主催者は「選考過程で画像検索などの確認をしておらず、全日本写真連盟としても今回の事態を招いたことについておわびいたします」と謝罪している。
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●過去の受賞作もストックフォトか
X上では、11月7日ごろから、この作品について「著作権フリーの生成AI画像に見える」などと疑問を呈する声が上がっていた。また取り消された受賞者が全日本写真連盟埼玉県本部の関係者(参与)であったこと、さらに同じ人物が過去に他のフォトコンテストに応募した複数の作品についてもストックフォトに極めて近い画像があるといった指摘も上がっていた。
例えば、2017年の全日本写真連盟支部対抗戦の風景部門で20位に入った「光の旋律」という作品は、ストックフォトサイト「Vector Images」にある「a person skiing down a snow covered slope」という写真に酷似している。ただし、全日本写真連盟のWebサイトでは現在、この対抗戦のページが閲覧できなくなっている。
主催の朝日新聞社と全日本写真連盟に説明を求めたところ「受賞者は、ご指摘の写真展を含め、全日本写真連盟埼玉県本部などが主催した過去のコンクールでも受賞しています。現在、全日本写真連盟はこれらの作品も調べており、過去の受賞作の公開を停止しています」とした。
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