
JR東日本、パスモ、PASMO協議会は11月25日、2026年秋以降に新しいコード決済サービス「teppay(テッペイ)」を提供すると共同で発表した。会見ではサービスの概要やスケジュール、導入に至った背景などが説明されたが、SNS上では「なぜこの名称なのか」という素朴な疑問が一気に噴き上がった。読み仮名の印象が強いこともあり、サービスそのものより先に“語感”への議論が盛り上がってしまった形だ。
teppayは、モバイルSuica・モバイルPASMO利用者に提供されるアップデートを通じて使えるようになる。アップデート後は、アプリ内の画面からワンタップでコード決済用の画面に切り替えられ、交通系ICの残高チャージや定期券購入にも利用可能となる。さらに、モバイルSuicaとモバイルPASMO間で残高の相互送金・受取ができるようになる点も大きな特徴で、2つの交通系ICアプリがシームレスにつながる初めての取り組みになる。
会見でJR東日本の中川晴美常務は、サービス名に込めた3つの価値を示した。移動や旅を軸に利便性を高める「Travel」、幅広い層が扱いやすい「Easy」、人と地域をつなぐ「Partnership」という3点で、名称のteppayはそれぞれの頭文字であるt、e、pを含む構成になっている。鉄道系の新しいペイメントサービスであることをひと目で伝えたいという意図があるという。
しかしSNSでは、こうした説明とは別の文脈で議論が白熱している。投稿の多くは「人名にしか見えない」という指摘で、平仮名や片仮名の表記にすると“名字(みょうじ)の後に続く名前”のように読めてしまう点を問題視する声が目立った。「全国のてっぺいさんに試練」「鉄平さんを思い浮かべてしまう」「有田哲平さん、大丈夫だろうか」「レジで名前を呼ばれるようで恥ずかしい」といった反応は軽い冗談を含むものが多いが、一方で「サービス名として誤解を生むのでは」「なぜ人名に寄せたような名称にしたのか」と、ネーミングの合理性を問う意見も少なくない。
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また、PayPayの成功体験を踏まえ「ツッコミどころのある名前の方が覚えてもらえる」という肯定的な見方もある。「報道で名前を見たときは意味が分からなかったが、鉄道+Payだと分かれば納得した」という声もあり、利用が始まれば自然に浸透するとの楽観的な見方も広がりつつある。とはいえ、人名としての連想が強い点を気にかける声はやはり目立つ。サービス開始前から“名前のハードル”が先に立つ状況になっているのは確かだ。
鉄道系キャッシュレスの強化は長年の課題であり、今回のteppayはその大きな一歩となる。しかし名称を巡る議論は今後もしばらく続きそうだ。JR東日本やパスモによると、teppayはJR東日本が商標登録出願中だが、サービス設計や利便性そのものが評価される段階に進むまでに改名されるのだろうか──。今後の動向に注目だ。
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