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2025年11月26日 11:10 web女性自身

「そんなに戦争したいのか?って思う。だって戦争したら、必ず、なんだろう……得るものより、失うものが多いから」
11月22日に更新した自身のYouTubeチャンネルでこう語ったのは、日本で活動する中国人YouTuberのPooちゃん(以下、ポーちゃん)。日本の文化体験やバラエティ企画が人気を博し、チャンネル登録者は22万人を超えている。
普段は政治的な発言はほとんど行っていないが、日中関係が悪化していることに懸念を抱いたといい、「台湾有事の件について私が言える事はこれだけです【在日中国人の本音】」と題する動画を公開。現在までに27万回以上再生されており、注目を集めている(11月25日時点)。
7日に行われた衆院予算委員会では、立憲民主党の岡田克也衆院議員(72)が台湾有事を念頭に、どのような状況が日本にとって「存立危機事態」にあたるのかを質問。これに対して、高市早苗首相(64)が「(中国が)戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうる」と答弁したことから、中国側が発言の撤回を求めるなど外交問題に発展している。
さらに、中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事がXで《勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇(ちゅうちょ)もなく斬ってやるしかない》(現在は削除済み)と投稿するなど、ネットやSNSでも応酬が繰り広げられることに。
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ポーちゃんは「正直、俺政治のことマジでわかんねぇから、どっちが正しいか何とも言えない」と遠慮がちに語りつつも、「最近、戦争を望む方が結構いて。それを見て『ちょっとヤバいな、この世の中』って思ったの」と吐露。
ポーちゃんから見ると、同じ出来事でも「中国側の記事と日本側の記事、全く違う意味で一般人に伝わっている」という。どちらのニュースも読むことができることから、「なんでこんなにメディアはお互いの憎しみ合う感情を煽るのかなって思ってんだよな」と疑問視。“もし戦争が起きたらどちらが勝つか”という意見も目にするといい、「ゾッとするの」と恐怖心を語った。
その上で冒頭のよう語ったポーちゃんは、「今、俺たちがやるべきことは頑張って、戦争に行かないようにするしかないんです」と力説し、「物騒なニュースとかに踊らされないようにしてほしい」と訴えた。
また「もし万が一、戦争になったら」と前置きし、「人生を日本に託した方たちとかいるじゃん。家族全員、日本で生活したり。で、視聴者のコメントをたまに見ると、中国で20年間くらい住んでる方とかもいますし……。そういう人はどうすればいいの? 本当に戦争のために自分たちの人生を諦めるのかって。だって、絶対望んでないじゃん、そんな人たち」と双方の国で暮らす人々を慮る場面も。
そんなポーちゃんは「(どちらの国も)ネットの世界はみんな勝手に言い放題」と述べ、「結局、もし本当に戦争になったら、(中略)一般人が一番被害を受けると思います」と私見を語っていた。
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■「絶対間違った発言」中国総領事の“汚い首を斬る”発言にも反論
また、ポーちゃんは薛剣(せつけん)駐大阪総領事の“汚い首を斬る”発言に対しても、「正直、同じ中国人としては納得いかないというか、恥ずかしいというか」とコメント。「あれは絶対間違った発言」として、「中国全体はそういう野番な国だと思われるから、自分の言い分は正しいかどうかは別として、そういう立場の人が選ぶ言葉じゃないなって、俺は思ってる」と批判した。
いっぽう、日中関係の悪化はポーちゃんの身にも影響が出始めているようだ。ポーちゃんのYouTube動画が中国のネット上で出回っているといい、「俺の知らないうちに、中国のアンチがめっちゃ増えてるんですよ」と告白。ただ、なかにはポーちゃんの意見に賛同してくれる人もいるそうで、「ちゃんと言えば分かってくれる人もいる」「全中国は別に全部そういう反日な感じを抱いてるんじゃなくて、共に前を向いて進めようとする人もいます」と説明した。
戦争を回避することを訴えるポーちゃんは、「戦争になったら俺たち全員負けです。国籍というか国関係なく、みんな巻き添えを食らうから、本当に戦争だけは止めてほしい」と繰り返し平和を訴えていた。
また、中国で暮らす母親からも実家に戻るように促されているというが、「俺は戻りたくないんだよ。こういう形で中国に戻りたくないんだよ。もっと楽しい動画、もっとリアルな中国を伝えるために、中国に帰って動画を撮りたいんだよ」とポジティブな理由で帰国したいという。
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高市氏の答弁をめぐっては、政府は25日に公明党の斉藤鉄夫代表(73)の質問主意書に対して、「存立危機事態に該当するかは、個別具体的な状況に即して持ち得る全情報を総合して客観的かつ合理的に判断する。政府見解は完全に維持しており、見直しや再検討が必要とは考えていない」と記載した答弁書を閣議決定した。
「日本政府は台湾問題に関して、“対話による平和的解決を期待する”と一貫した立場を示しています。そのため、“日本側が戦争したがっている”という見方は正確ではありませんが、ポーちゃんは双方の国民がSNSやネットで非難し合っていることを悲観し、そうした応酬が過熱することで“いつか戦争に発展したらどうしよう”という不安を抱えている様子でした。ポーちゃんの動画のコメント欄では中国側の対応を非難する声も散見されていますが、ポーちゃんの平和を願う気持ちを汲み取って《応援してます》《危機感めっちゃ解ります》と理解を示す声も寄せられていました」(WEBメディア記者)
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