「総理の振る舞いとしてはふさわしくない」辻元清美氏はトランプ大統領対応に苦言…高市政権に女性識者4人が激辛エール

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2025年11月27日 11:10  web女性自身

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■参議院議員・辻元清美さん 防衛費増額、台湾有事…それでも平和を守るという理念は忘れずに



「世襲の男性議員がトップになることが多い自民党で、サラブレッドの小泉進次郎さんを破って女性初の総理大臣になったのは、高市さんの努力と執念の結果だと思う」



こう語るのは、参議院議員の辻元清美さんだ。高市首相とは長年の交流がある。



「同学年で、20代は『朝まで生テレビ』(テレビ朝日系)で、対極の立場で議論を戦わせてきました。野田聖子さんが結婚したときは、楽屋で『先越された!』と2人で嘆いたりね。



政治的キャリアも同じくらい、お互い普通の家庭の出の、たたき上げ。奈良出身と共通点も多く、長い付き合いなので、今、高市総理を見ていて疲れているのがわかる。



総理就任後、ばったり廊下で会ったときも『大変やわー』『しんどいわー』と言っていました」



先日は“午前3時出勤”が問題視されたばかりだ。



「勉強熱心なので、高市さんなら不思議じゃない(笑)。石破(茂)さんのときは5時、6時みたいだったが、高市さんは念には念を入れて答弁したいタイプ。



ただし、大事なのはその中身。ウルトラ右派なことばかりではまずいと思う」



高市首相の言動に触れ、辻元さんの懸念は増すようだ。



「靖国参拝を封印しているし、日本の植民地支配や侵略戦争を反省する村山談話を継承するということは、評価しているところです。



しかし一方で、物価高で苦しい状況下で1円でも民生に予算を使うべきところ、防衛費増額と打ち出したり、高額療養費の負担を増やそうとしたり。台湾有事は日本の有事(存立危機事態)とつい『持論』を口にしちゃったのは、政府のトップとしてまずかった。官僚も困っているんじゃないかな」



トランプ大統領が来日した際、高市首相が米軍の原子力空母に乗船し、両手をあげて跳びはねていた姿には、違和感を覚えたという。



「主権国家の総理の振る舞いとしては、ふさわしくなかったよね」



しかも高市首相は、トランプ大統領と米軍ヘリで米軍空母に乗船している。



「安倍(晋三)元総理もトランプ大統領と親しかったですが、自衛隊の護衛艦に招待するときは、別々のヘリで着陸しています。きっと対等であるために、考え抜いた方法なのだと思います。



しかし高市さんのように、駐留米軍にエスコートされるというのは“取り込まれている”という印象を与えかねません。ここは一線を引いたほうがよかった。



国際的に、米ロを軸としたつのブロック化が進むなか、米軍空母で防衛力強化を発信したことも、緊張をエスカレートさせかねない。



総理になった以上、さまざまな意見を聞き入れて、バランスをとった決断をしなくちゃ」



今、Xで高市首相の言動に触れたポストをすると、数百万〜数千万の表示が出て驚くという。



「高市総理の登場で、政治に関心を持つ層が厚くなった。思想信条より、公正な視点を求める人たち。総理と早く議論したいなあ」





■昭和女子大学総長・坂東眞理子さん 積極財政は諸刃の剣。物価高に喘ぐ声に耳を傾けて



「世界経済フォーラムによると、日本のジェンダーギャップ指数(男女間の不均衡)は、148カ国中118位。女性が活躍できないことが常識の日本で女性首相が誕生したことは、海外からも驚きをもって受け止められています。



1960年、スリランカで世界初の女性首相が誕生し、サッチャーさんやメルケルさんが続き、四半世紀以上たってようやく日本が追いついたことは、大きなことだと思っています」



こう語るのは、昭和女子大学総長の坂東眞理子さんだ。かつて官僚だったころ、高市首相は当選したばかりの国会議員だったという。



「はっきりとものを言う方、熱心な勉強家という印象が残っています。朝5?6時から仕事を始めると聞いていましたが、最近、ニュースになったように午前3時からというのは、さすがにありませんでした(笑)。



それだけ高市総理は張り切っているのだと思います」



そのため、物価対策のスピード感が求められるなか、年内にガソリン税の暫定税率が廃止されることとなった。だが、経済対策には不安も残るという。



「積極財政、金融緩和政策を掲げ、国債、つまり借金を増やして投資するという方針です。これではさらなる円安を招きかねません。



一部の企業にはプラスに働くかもしれません。しかし多くの人たちが、円安を起因とした輸入品やエネルギーの高騰による物価高に苦しめられているのです。



高市さんと同じように“積極財政・減税”などを掲げていた、英国では3人目となる女性首相のリズ・トラスさんは、マーケットにNOを突きつけられ、在任期間がわずか49日だったことも忘れてはなりません」



一方、隣国との関係に目を向けると……。



「韓国の李在明大統領は苦労人で勉強家です。高市さんも、2世、3世、4世が多い政治家の世界で、地盤看板カバンがない非世襲議員で、2003年には落選も経験した苦労人。李大統領と共通する部分もあり、お互い大人な対応をしているので、現在のところ安堵しています。



心配なのは中国との関係です。



中国の一般の方々にも反日感情が高まっている状況下、トランプ大統領には防衛費増額を伝え、所信表明演説では防衛費をGDP比2パーセント程度にする目標達成時期を、2027年度から2025年度に前倒しするとしています。



さらに台湾有事が、集団的自衛権を行使できる『存立危機事態』になりうると発言しました。戦争に近づいてしまわないのか懸念しています」



だからこそ、多くの意見を取り入れ、反対意見も排除しないでほしいという。



「高市さんには、コアな支持層ばかりでなく、反対意見も排除せず、多くの国民がサステナブル(持続可能)な安全・安心が得られる日本を作ってほしいです」





■漫画家・倉田真由美さん 高い支持率を味方につけて、社会保険料の負担減に切り込んで



「“女性総理”に、特段のこだわりを持っていませんでしたが、私が生きている間に誕生するとは思っていなかったので“社会が変わったんだな”と好意的に受け止めています。



ただそれよりも、政治家の家系ではなく、苦学した地方出身者が政界のトップに上り詰めたことが、性別を超えてすごいことだと思っています。



世襲すべてがダメだとは思いませんが、政治家は、簡単になっちゃいけないはずです」



こう語るのは、漫画家でコメンテーターの倉田真由美さん。個人的に関心が高いのは外国人問題だという。



「外国人が増えてきた体感は、誰もがあるのではないでしょうか。私自身、急激な変化で心の準備が整っていない状態です。先んじて移民を大量に受け入れた欧州では、決してよい面ばかり起きているわけではないと伝えられています。



移民政策は国の形を変えるほどの重要事項だと思うので、今後、あらゆる選挙の争点にして、メリット、デメリット合わせた、さまざまな考え方を知りたいです。



高市さんに対しても、就任する前後には移民の数の制限に関して言及されていましたが、ここに来てトーンダウンしているように感じます。自民党の方針を一人で決められないことは承知していますが、お考えを知りたいです」



こうした大きな期待を寄せているのも、高い支持率があるからだろう。



「高市さんのキャラに対する人気もあるのだと思いますが、ストレートでわかりやすい答弁に好感が持たれているのでは。



最近では、女性閣僚が2人にとどまっているという指摘に、『私が入ると3人。内閣総理大臣と、女性初の財務大臣誕生にも注目してほしい』と返した姿が、印象に残っています」



若い年齢層からの人気が高いことも、現政権の特徴の一つだ。



「SNSではさまざまな政治的な意見を目にしますので、若者も政治にコミットしやすくなったのでしょう。



何より、物価の急激な上昇が生活を苦しめています。この2?3年で板チョコが2倍、米が2倍……。生活への危機感が、若者の目を政治に向けているのではないでしょうか」



だからこそ、若者目線の政策にも期待している。



「少子高齢化で働き手が少なくなるなか、社会保険料の負担が増しています。現状でも税や社会保障費の負担は、国民所得の約50パーセントを占める“五公五民”の状態です。



これまでは票につながる高齢者に向けた政策が優先されていましたが、若者の支持がある高市さんが、社会保険料などの負担減に切り込めるのか、注視していきたいです。



いずれにしても、SNSは庶民の声の集大成。高市さんは敏感にSNSの意見なども取り入れ、世論を見ながら自分のやりたいことを固めていっているように感じます。今後も、そういった姿勢は折れずに堅持していってほしいです」





■経済ジャーナリスト・荻原博子さん 独自の政策は“おこめ券”だけ。家計支援策を国民は期待しています



「日本初の“女性首相”に期待が大きいようですが、性別で語る時代ではないと思います。高市早首相のはっきりした物言いや装いなどより、政策の中身が重要です」



そう話すのは本誌「マネーニュース」の連載でもおなじみの経済ジャーナリスト、荻原博子さん。高市首相が最優先と位置づける「物価高対策」に注目しているという。



「今年末での『ガソリンの暫定税率廃止』を与野党で合意しましたが、これはもともと野党からの提案です。首相の成果とはいえないでしょう」



高市首相は、自民党が選挙公約として掲げた「1人2万円給付」を、就任早々「実施しません」と撤回宣言。代わりに電気・ガスの補助金政策を打ち出すが、前政権でも行った政策で、家計がうるおったかといわれると……。



「食品の消費税ゼロは『5兆円の恒久財源があれば、やりたい』と夢を語っても、あくまでも今は“検討”段階。“霞が関用語”を翻訳すると『やらない』となります。



また、『給付付き税額控除』に取り組むようですが、制度設計に5〜6年はかかるといわれます。



となると、独自の対策は『おこめ券』だけ。物価抑制効果には疑問が残ります」



いっぽうで、株式市場は活況に沸き立っている。AI企業を中心とする“高市銘柄”が大いに買われ、日経平均株価はここ3カ月で約1万円の値上がりもあった。



「ただ日銀の金利政策しだいで、先行きは不透明です」



現在、日銀は金利の引き上げを模索中だ。仮に、日銀が金利を引き上げると、円安が止まり円高傾向にシフトしていくだろう。物価高は多少落ち着くが、株式市場は円高を嫌う。外国人投資家がこぞって日本株を売却し始めたら、株価暴落の危険性があるという。



「株式市場が不安定になると、今は表面化していない厳しい現実が明るみに出るでしょう」



たとえば、物価の影響を加味した「実質賃金」は9カ月連続のマイナス(厚生労働省)で、私たちの家計は困窮を極めたままだ。



また、2024年度の企業倒産件数は3年連続の増加で11年ぶりに1万件を超えた(東京商工リサーチ)。個人の自己破産件数も、2024年は約7万6000件と12年ぶりの高水準。2025年上半期は、これを上回るペースで増加中だという(最高裁判所)。



「実際は、決して好景気とはいえない状況です。そんななか、少数与党ですから、やりたい政策がすぐに実行できる環境ではないでしょう。それでも“奈良の女”にはがんばってほしいと思います」



高市首相が、先進国で初めて女性首相となり“鉄の女”と呼ばれたイギリスのマーガレット・サッチャー氏を尊敬することはよく知られている。



「高市首相が、サッチャー氏のような功績を上げられるかは、これからが正念場。私は政策ベースでしっかり見守りたいと思います。少なくとも、イギリス史上3番目の女性首相であったリズ・トラス氏のような、49日の短命政権にはならないでほしいものです」

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  • は?「女性識者」?左巻き四人衆だろ。
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