画像提供:マイナビニュース DDRは11月26日、スマホひとつで離婚調停できるサービス「wakai for 離婚」を提供開始した。関係者は「スマートフォンから、いつでもどこでも調停を開始できます。トラブルを抱える方が一日も早い心の平穏、ひいては心地よい生活を取り戻すことに貢献していきます」とアピールしている。
○「wakai for 離婚」とは?
DDRが提供するスマホ調停サービス「wakai for 離婚」(以下wakai)は、離婚時の取り決め(養育費・親子交流・財産分与など)を含む、離婚にまつわるトラブルの解決に特化したオンライン調停プラットフォーム。調停人として弁護士などの専門家が関与するため、安心して手続きを進められる。DDR代表取締役社長の的場令紋氏は「従来の裁判所を通した調停に比べて、心理的・時間的・経済的負担を軽減できる利便性があります」と説明する。
たとえば「wakai」により、手続きに必要な時間を最大約9割カットできる。従来の調停制度では離婚調停が成立するまで平均7.6か月かかっていたが、これを最短で1か月に短縮する。同様に、50〜100万円かかっていた費用は最大約8割をカット。相手と顔を合わせる不安もなくなり、裁判所が遠いという問題も解決する。そのうえで「夫婦間で協議した曖昧な取り決めではなく、しっかりとした法的拘束力のある調停を実現します」と的場社長。
シンプルなUIUXが用意されており、利用者は必要項目を埋めていくだけで簡単に手続きを進められる。事前準備は8ステップ、調停は4ステップ、合意書発行は2ステップから構成される。
たとえば申立書登録の項目では、未成年の子の親権者、面会交流する時間や方法、子の養育費、財産分与、慰謝料、年金分割、婚姻費用、申立ての理由、といったことを決めていく。
「従来なら、裁判所まで出かけて必要書類を4〜5種類ほど集め、それぞれに名前と住所などを書き、といった作業が必要でした。当サービスを利用すれば、最小限の必要項目に入力するだけで(30分ほどで)申し立てが可能になります」と的場社長。
かかる費用のイメージとしては、離婚調停する相手方と「wakai」を使うことを決めた段階で3万円、調停が1回6万円、合意書作成が9万円。したがって、最安なら18万円で離婚合意書を作成できる。
的場社長は「人生は、何度でもスタートラインを引けます。当社ではすべての人に、何度でもスタートラインを引く力を届けていきたいと考えています。争う社会から話し合う社会へ。対立から再出発へ。すべての人が新しい人生を再出発できるよう、DDRはこれからも司法のデジタル化の最前線を走り続けていきます」と説明した。
この日、メディア説明会にはゲストとして越水遥弁護士が登壇。これまでの自身の業務体験と照らし合わせながら、wakaiのメリットについて以下のように説明した。
「離婚調停を考えている人のなかには「そこまで時間と費用がかかるならやりたくない」と仰る方もいます。でも合意が曖昧なまま離婚してしまうと、数年が経ってから、財産分与などの揉め事が急に生じてしまうんです。揉め事は、長引けば数年におよびます。また、離婚調停が長引くケースも見てきました。すでに夫婦関係は破綻しており、離婚することは決まっているのに調整がうまく進まずに数年かかった、なんて事例がありました。離婚調停中は、お子さんとも会えません。小さな子が、片親の顔も知らずに成長してしまうということが起こり得ます。wakaiのようなサービスがあれば、スピーディに離婚調停を進められます。仲介者として弁護士が関わるので、中立性も担保されます。費用も抑えられるので、結婚を機に専業主婦になった方にも安心してご利用いただけます」(越水遥弁護士)
なお当サービスは、DDRの事業展開の第1弾という位置づけ。今後はコンシューマ向けの「相続・遺産分割」に加えて、ビジネス向けの「消費者紛争・少額債権」「労働トラブル」といった領域にもサービスを拡大させていく。的場社長は「自分に寄り添った弁護士さんを登録する、臨床心理士の方に間に入ってもらう、相続問題なら税理士さんなど士業の方に入ってもらう、ということも考えています」と説明していた。
近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら(近藤謙太郎)