
28日に発表された、インフルエンザの感染者数。全国で定点観測している医療機関の平均で、1週間の感染者が50人を超え、前の週から約1.4倍となりました。39の都道府県で警報レベルの基準を超えていて、過去10年間で最大規模の流行になるとの予測もあります。その要因となっているのが「サブクレードK」と呼ばれる新たな変異株です。
【画像で見る】新・変異株の特徴は?従来のインフルの症状だけでなく…
「既存の免疫をすり抜ける」サブクレードKとは?急拡大するインフルエンザは現在、例年よりも1か月早く流行しています。23日までの1週間に定点医療機関からの報告数は19万人超え。2024年の同じ時期の報告数は1万1678人だったので、いかに感染が急増しているかが分かります。このままいけば「過去10年間で最大規模の流行になる」という予測も...
この急激な感染拡大を引き起こしているのが「新たな変異株=サブクレードK」です。一体どのようなウイルスなのでしょうか。
そもそもインフルエンザには、主にA型とB型のウイルスがあり、A型には、1968年に香港で大流行した「H3N2」や、2009年のパンデミックにつながった「H1N1」があります。
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一方のB型には、1987年にオーストラリアで確認された「ビクトリア系統」があります。このB型は基本的にヒトからヒトにしか感染せず、構造も単純なため、変異が少ないのが特徴です。
一方のA型は複雑な構造で変異が起きやすく、それに加えて、トリやブタなど様々な動物にも感染し、遺伝子に変異が起きることで、そこからまたヒトへ感染する可能性があるのが特徴です。
今回の「サブクレードK」は、新型ウイルスではなく、このA型の「H3N2」が変異したものでした。
いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤院長によりますと「ウイルスが変異したことで、1人1人の既存の免疫をすり抜ける形になり、感染力が強くなっている」と指摘しています。
症状は、従来と同じく高熱や咳・のどの痛みなどの呼吸器症状に加えて、吐き気や下痢、食欲不振など胃腸の症状も目立つのが特徴です。
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この「サブクレードK」の流行の背景ですが、7〜8月にインフルエンザのピークをむかえる南半球で出現し、その後北半球のイギリスなどで急拡大しました。
日本で流行した要因について、伊藤院長は2つの可能性を指摘します。
まず1つ目は▼「インバウンド」。訪日観光客によって、夏の時期に国内に持ち込まれた可能性があるということです。
そして2つ目は▼「猛暑」です。今年の猛暑でエアコンの使用が増え、喉が乾燥し免疫力が下がったところに、冬の乾燥が重なり、感染しやすくなったと考えられるということです。
気になるのはワクチンの効果ですが、実際に診察を行っている伊藤院長は「そもそもワクチンは感染予防効果より重症化予防に効くもので、現状、効いていないという実感はない」と指摘しています。「ワクチンの効果は保たれているのでは」と述べ、ワクチンの接種を奨励しています。
急拡大する「サブクレードK」。これから年末にかけて移動や集まりが増える中、さらなる警戒が必要です。
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