
田んぼのイネを食い荒らすことで知られる外来種のジャンボタニシを、エサとしてさまざまな生き物に与えてみた結果が「こういうのが見たかった」「ほんとすごいわ」とYouTubeで話題です。動画は記事執筆時点で6万9000回以上再生されています。
動画を投稿したのは、釣りや水生生物、アクアリウムについて発信しているYouTubeチャンネル「真釣ちゃんねる」のまつりさん。以前には、100匹ものジャンボタニシがいる水槽に“有明海のエイリアン”を入れてみた様子が話題となりました。
今回はこれまでいろいろなエサを与えてきたジャンボタニシを、エサとして他の生き物に与えてみるようで……?
まつりさん宅にある「ジャンボタニシ水槽」には、田んぼの用水路で捕獲した大量のジャンボタニシが暮らしています。捕獲場所はヘドロがたまっているような用水路だったため、最初は泥抜きをするために水槽に入れていたのだとか。しかし観察するうちに、ジャンボタニシもなかなか面白い生き物だと感じるようになったのだといいます。
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ジャンボタニシは田んぼの稲を食い荒らすため、草食性だと思われがちな生き物。しかし実は雑食性であり、野生では生き物の死骸なども食べているのだそうです。そのためまつりさんはジャンボタニシ水槽に巨大ムカデやブラックバスなどを入れ、どうなるか観察してきました。
しかしこのジャンボタニシは本来、泥抜き後に冷凍し、飼育している生き物のエサとして活用するために持ち帰ってきたもの。まつりさんは「捕獲した外来生物はリリースしない主義」であり、日本にいるジャンボタニシは全て外来種のため、駆除も兼ねてエサとして活用しているそうです。
そこで、これまではジャンボタニシにさまざまなエサを与えてきましたが、今回は逆にジャンボタニシを食べる生き物を観察していこうと思っているとのこと。意外なことにジャンボタニシは多くの生き物にとっていいエサになるのだといいます。
なお、ジャンボタニシ水槽には当初200匹のジャンボタニシが入っていましたが、現在はそこから泥抜きが終わった100匹を冷凍してある状態。ジャンボタニシは体内に寄生虫などが住み着いているといわれているため、一度冷凍してからエサとして使っているそうです。
まずは危険を感じると膨らみ、トゲトゲのボールのようになる「ハリセンボン」にジャンボタニシを与えてみます。ハリセンボンを含むフグの仲間はとても強い歯を持っていて、カニやエビ、ヤドカリやアサリなどもかみ砕いて食べるそうです。
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早速解凍したジャンボタニシを与えてみると……ハリセンボンはすぐに寄ってきて口にくわえ、パキパキと小気味よい音を立てながら殻を割り始めます。そして上手に割った殻だけを吐き出し、中身を食べる様子を見せてくれました。
ジャンボタニシの殻は比較的薄くて割れやすいですが、フグの仲間には「定期的に硬いエサを与えた方がいい」といわれているとのこと。そうでないと歯が伸びすぎて人の手で切らなければならなくなるのだとか。まつりさんはジャンボタニシの他にも外来種であるアメリカザリガニや、スーパーで購入したカニやアサリも与えているそうです。
ハリセンボンはその後もジャンボタニシの殻を割って中身を食べていましたが、やがてあごが疲れてしまった様子。そこで食べやすくなりつつ匂いも出るように、ジャンボタニシを軽くつぶしてから与えました。
つぶしたジャンボタニシを与えるとハリセンボンはもちろん、一緒に暮らしている海の魚たちも取り合うようにして食べ始めます。ジャンボタニシは海には生息していないため、本来海で暮らす魚がジャンボタニシを食べる機会はないはず。しかしとても食い付きがいいため、まつりさんは「海での釣りエサとしても使えるのでは?」と思っているそうですよ。
続いてイシガメとクサガメ、スッポンが暮らす「カメ水槽」にジャンボタニシを投入します。軽くつぶしたジャンボタニシをクサガメにあげると、すぐに食べ始めました。しかし長く飼育しているイシガメとスッポンは舌が肥えているようで、食べようともしません。
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野生のスッポンは本来よくジャンボタニシを食べるため、ジャンボタニシ駆除のためスッポンを放している水路を見かけることもあるそうです。また、過去には捕獲した大きなスッポンをタライに入れていたところ、フンから大量のジャンボタニシの殻が出てきたこともあるのだといいます。
カメたちが食べ残したジャンボタニシは、ペアで飼育しているサワガニに与えてみます。サワガニにとってジャンボタニシはごちそうなのか、すぐに食べ始めてくれました。
ハリセンボンと同じくらいジャンボタニシが大好きだという「ギアナカイマントカゲ」にもジャンボタニシを与えてみます。ギアナカイマントカゲはアサリなどの二枚貝もジャンボタニシも大好物ですが、魚肉やカニ、エビも食べるそうです。
ジャンボタニシをつかんで与える際に使うピンセットを見つけたギアナカイマントカゲは大興奮。じっと上を見たり、脱走しそうな勢いで立ち上がったりする姿を見ると、ジャンボタニシを食べたくて仕方がないことが伝わってくるようです。
早速ジャンボタニシを投入するとすぐに口にくわえ、上手に舌で転がしながら割れる部分を探し始めます。そしてパキパキといい音を響かせながら殻を割り、次から次へと中身を食べていきました。夢中になってジャンボタニシを食べる姿はなんともかわいくて、ずっと見ていたくなりますね。
この動画のコメント欄には「ジャンタニの有効活用ですね!」「ハリセンボン、ジャンボタニシ食べるんだ」「小気味よい音を立てて食べるハリセンボンちゃん、かわいいし器用だなぁ。小さい口で器用に中身をより分けるのすごい」「音だけ聞くとおいしそう」「スナック感覚!」といった声が寄せられています。
まつりさんは、飼育しているたくさんの生き物たちの様子をYouTubeチャンネル「真釣ちゃんねる」で公開中です。
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動画提供:YouTubeチャンネル「真釣ちゃんねる」
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