
ポスティングシステムを利用してのメジャーリーグ移籍を目指す、東京ヤクルトスワローズ・村上宗隆選手(25)の交渉期限が迫っている。なかなか決まらない日本の若き主砲の動向に、現地でも“不穏”な報道が出始めてーー。
12月22日午後5時(日本時間は12月23日午前7時)に期限を迎える村上の移籍交渉。当初は国内外で280億円〜290億円規模の大型契約を見込む報道もあったが、申請から1か月経った今、現地でも獲得が有力視されるMLB球団は伝えられども、朗報は聞こえてこない。
「ネックとされているのが村上選手の打撃データです。日本でも150キロ超えの速球投手とは相性が悪く、加えて三振率の高さが指摘されています。通算ホームラン246本の打撃が、MLBでどれだけ通用するか懐疑的な見方もされています。
そしてお世辞にも上手いとは言えない守備。主戦場であるサードやファーストには、すでに主力選手を据えているチームも多く、とはいえ外野を守れるかというと……。そんな評価と、代理人が求める契約と額面に開きがあるのだと思います」
なるほど、MLBの移籍事情に精通するスポーツジャーナリストによると、日本での実力や実績は折り紙付きだが、メジャーでも同様に活躍できるかは未知数。では、このまま契約がまとまることなく交渉期限を終えることも?
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交渉期限に滑り込みの可能性も
「メジャーの移籍マーケットでは通常、大物選手の移籍から順に決まっていき、その後に戦力を整えるためのトレードも活発化していきます。もちろん村上選手も今オフの注目株に位置付けられていますが、おそらく交渉は契約ギリギリまで続けられ、滑り込みになる可能性も高い。
データに不安はあれどもパワーを評価する球団も多く、何より25歳と若く伸び代もある。MLBに順応できればシーズン30本、40本も夢ではなく、契約がまとまらないということはないでしょう」(前出・ジャーナリスト、以下同)
とはいえ、なかなか打てない村上の移籍決定に、現地メディアもヤキモキしているのだろう。一部では、8年間ともされた長期の大型契約ではなく、「仮に2年契約」とする短期契約の可能性も伝えられている。
何でも、まず2年間の“お試し”契約を締結して、その間に能力が認められれば再FA選手として、他球団を含めて大型契約を模索するというもの。
「これは手厳しい(苦笑)。仮に短期契約とするのならば、ヤクルトに支払われる最大で40億円との譲渡金も数分の一になってしまう。またMLBの投手や環境、またアメリカの地での生活に慣れるのも大変ですし、さらに限られた期間で結果を求められるプレッシャーは相当なもの。
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さらに厳しいのは、2年間で契約を切られる“ノンテンダー”になる見込みもあること。その場合、他球団からのメジャー契約はあるのか、またはマイナーや独立リーグから昇格を目指す気概はあるのか、それとも日本球界復帰を選ぶのか……」
2019年12月、横浜DeNAベイスターズからポスティングで、タンパベイ・レイズと2年契約を結んだ筒香嘉智選手(34)。しかしMLBで自慢の打棒を振るうことができず、2シーズン目途中でロサンゼルス・ドジャースにトレード移籍。その後もマイナーリーグと独立リーグを行き来した末に、2024年に古巣のDeNAに復帰した。
「有原式・上沢式FA」の再燃も
片や、北海道日本ハムファイターズからポスティング移籍した有原航平投手(33)と上沢直之(31)投手。前者は2年、後者は1年で日本球界に出戻り復帰するも、いずれも選んだんのは日ハムではなく福岡ソフトバンクホークスとの大型契約。ネット上では、このポスティングルールの“穴”をついたような他球団への移籍を「有原式FA」「上沢式FA」と揶揄し、両選手には批判が向けられたことも。
「ポスティングを認めてもらったからには、オファーがあった以上は古巣への復帰が筋とは思いますが、NPBが定めたルールには違反しておらず、何ら問題もありません。有原投手や上沢投手が責められるのは筋違いで、問題視されるべきは炎上騒動を繰り返してもルール改善しようとしないNPBです。
万一にも熊本県出身の村上選手が、早々に出戻ってきて日本復帰、ヤクルト以外の球団に移籍しようものなら再燃するのは目に見えています。選手を守るためにも選手会、NPBは早急に動くべきですね」
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迫る移籍への交渉期限、村上には2年、3年と言わず、大谷翔平投手(31)らとのメジャーの舞台での名勝負を繰り広げてほしい。
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