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「就活うつ」を自覚する学生が増えている。新卒スカウトサービスを提供するABABA(東京都渋谷区)によると、2026年3月卒業予定の学生のうち就活うつを自覚した学生は 54.3%(「就活うつになった」「就活うつっぽいと感じた」の合計)に上り、前年(46.3%)から8.0ポイント増加した。
自覚した症状については「何もやる気が起きなくなった」(56.0%)が最多となり、以降「食欲が著しく減った、あるいは増した」(34.5%)、「集中力が低下した」(34.0%)と続いた。「眠れなくなった」(28.0%)、「頭痛や胃痛などの不調が増えた」(23.0%)と、身体面に影響が出たという意見も一定数みられた。
就活うつを感じたときの感情を尋ねたところ、「自分だけがダメなんだと思った」(38.5%)、「みんな頑張っているのだから、自分も我慢しなければならないと思った」(38.0%)、「自分は社会に必要ない人間だと思った」(36.5%)が上位を占めた。
就活うつによる影響や変化はあったか。最も多かった回答は「選考の予定をキャンセル/無断欠席した」(32.5%)で、「親しい人とも会いたくなくなった」(31.0%)、「周囲から元気がないと言われるようになった」(24.5%)と続いた。
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●身近な人に相談がトップ。「AIに相談」も2割
就活うつを感じたときの対処法を尋ねたところ、「身近な人に打ち明けて相談にのってもらった」(32.5%)との回答が最多だった。以降「AI チャット(ChatGPT など)に相談した」(24.5%)、「就職活動を一時的に中止した」(22.5%)と続いた。「特に何もしなかった」も25.0%に上った。
就活がつらいと感じた原因については、1位が「就活の期間が長すぎて先が見えなかったから」(40.0%)で、2位は「選考に落ちたから、または選考落ちが続いたから」(36.0%)、3位は「自分がやりたいことが分からないまま就活をしていたから」(33.5%)だった。
ABABAは「就活の早期化・長期化によりゴールが見えない状況が長期にわたって続くため、精神的な消耗が加速している」と分析する。
最初の内定をもらった後も就活うつっぽいか尋ねたところ、半数を超える50.5%が「はい」と回答した。原因として最も多く挙げられたのは「本当にこの企業や職種でいいのか不安になったから」(48.5%)で、以降「自分の判断軸が何なのか分からなくなっていたから」(37.6%)、「内定をもらっても達成感や手応えがなかったから」(29.7%)と続いた。
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「特に理由は思い当たらないが気持ちが沈んでいた」も11.9%に上り、原因不明のまま精神的不調が続くケースもあることが分かった。
調査は、就活うつを自覚したことがある学生200人を対象にインターネットで実施した。期間は10月22日〜11月25日。
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学生の5割が「就活うつ」自覚、前年から増加 何が要因なのか?(写真:ITmedia ビジネスオンライン)16

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