バランスを崩し、踏み台から転落する事故の再現(NITE提供) 窓拭きや高い場所の片付けなど、大掃除で踏み台を使用する機会が増える年末。使い方を誤って転落する事故がたびたび起きているとして、製品評価技術基盤機構(NITE)が注意を呼び掛けている。
NITEによると、2020〜24年度に確認された踏み台と、より天板の広い足場台を使用中の事故は45件あった。踏み台を背にして上り下りするなど、不適切な使用方法が目立った。
埼玉県の50代男性は21年7月、踏み台の上でバランスを崩し、背中から転倒して重傷を負った。作業に集中するうち、無意識に前のめりの体勢になったとみられる。
東京都の40代男性は24年6月、足場台を使用していたところ、突然台の脚が折り畳まれ、弾みで天板に身体をぶつけた。片側の止め金具をロックしていなかったことが原因とされる。
NITEは、踏み台などを完全に開いた上ですべての止め金具を確実に固定し、水平な場所に設置するよう呼び掛けている。靴下やスリッパなど滑りやすいものは避けるのが望ましいという。
爪先立ちなどの無理な体勢はバランスを崩しやすくなるため、作業中に手が届きにくい場合は踏み台を移動したり、より高さのあるはしごや脚立を使ったりすることが求められる。
NITEの担当者は「正しい使い方を確認し、安全に作業を終えて気持ちよく新年を踏み出してほしい」としている。