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論理的に話せるようになるためにはどうすればよいのだろうか。答えはシンプルで「論理的に話すための型を理解する」ことと、「その型を踏まえた訓練を積む」ことの2点である。
前者については3つのステップに分解できる。すなわち、
1. 人の話を「論理的に把握する」
2. 頭の中を「論理的に整理する」
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3. 頭の中を「論理的に伝える」
の3つだ。以下でそれぞれのSTEPの詳細を確認していく。
●STEP1 人の話を「論理的に把握する」
最初のSTEPは「論理的に把握する」である。どのようなアウトプットも、まずはインプットからであり、論理的に話すためにはまずは人の話を論理的に把握することから始まる。
では、そのためにはどうすればよいのか。それは論理的に話す(=アウトプット)ゴールと、ゴールを実現するための論点の枠を設けて、その枠に沿って人から話を聞くということだ。
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この論点を設定する際にはポイントがある。それは、できるだけMECEに設定するということだ。これは日本語でいえば「漏れなく、ダブリなく」ということを意味しており、ゴールに至るための論点を漏れなく、分かりやすく整理するために必要な観点である。
具体例を1つ挙げよう。とある中小企業では、オフィスを置くビルの改装に伴い、社長の要望でオフィスレイアウトの変更を検討することになった。レイアウトを変更することで、社員の生産性を向上できるのではないか、と社長が考えていることが要望の背景にある。
そこで、この会社の総務担当者がレイアウト変更を検討することになった。この際の総務担当者としてのゴールは「社員の生産性を上げるレイアウトのイメージを社長と合意すること」とする。そうした際の論点のイメージは、
・「現在のレイアウトの課題は何か?」
・「生産性向上に寄与する具体的なレイアウトの特徴は何か?」
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である。このように論点が設定できると、レイアウト変更に向けてまず社長から話を聞く際に、現在のレイアウトの課題は何か、どうすればよいと思っているのか、など社長の見解を引き出すことができる。そうすれば、社長と合意する(=社長が納得する)レイアウト変更のイメージも検討しやすくなる。
従って、論理的に把握するためには、そもそもコミュニケーションの出口の「ゴールを定義」し、そのゴールに至るために明らかにすべき「論点を設定」し、その論点に沿って「相手の話を把握」するということになる。
●STEP2 頭の中を「論理的に整理する」
論理的に把握した後に必要になるのは、頭の中を論理的に整理するステップである。このプロセスでやるべきことは2つある。1つには「欠けている論点を見つける」こと。もう1つには「論点構造を見直す」ことだ。
まずは、「欠けている論点を見つける」について説明しよう。論理的に把握する段階で設定した論点に漏れがないことが望ましい一方、漏れが出てきてしまうこともある。従って、漏れがある場合、その漏れを瞬時に見つけられるようにしたい。
具体例を使って説明しよう。先ほどの中小企業の例で説明する。例えば、社長と話をしている時に、社長から「できるだけコストを割きたくない。なので、既に持っている什器類をベースにレイアウト変更したい」という話が出てきたとする。
この観点を着実に踏まえたレイアウトのイメージを検討する上では、第3の論点として「既存の什器類で実現できるレイアウト変更とは?」を入れておくことによって、社長の要望に漏れなく応えられるようになる。
次に「論点構造を見直す」について解説する。論点構造を見直したほうがよいのは、自分が話す(=アウトプットする)相手に、より分かりやすく/納得してもらいやすくする必要がある場合だ。
同じ中小企業の例を用いて説明しよう。例えば、社長の話をさらに聞いてみると、
・「現在のレイアウトの課題は何か?」
・「生産性向上に寄与する具体的なレイアウトの特徴は何か?」
といった視点よりも、
・「社員同士のコミュニケーションが円滑になるレイアウトはどのようなものか?」
という視点を重視していることが分かったとする。この場合、論点構造を見直し、
・「社員同士のコミュニケーションが円滑になるレイアウトはどのようなものか?」
・「そのレイアウトを自社のオフィススペースで実現すると、どのようなレイアウトになるか?」
・「既存の什器類で実現できるか?」
といった論点構造としたほうが社長の意向により沿った形で話を整理することができる。論点構造を見直す際には、相手のニーズや優先事項を正確に把握し、それに基づいて論点を再構築することが重要だ。これにより、相手にとってより説得力のある提案や説明が可能になる。
●STEP3 頭の中を「論理的に伝える」
STEP2まで進めば、コミュニケーションのゴールとそのゴールを実現する上でのネタは入手できている状態になるので、あとはそれを相手に分かりやすく伝えることがポイントとなる。
具体的には、「ゴールと論点(=話の枠組み)を伝える」「論点に沿って内容を伝える」というプロセスに分けられる。
「ゴールと論点(=話の枠組み)を伝える」ことの意図は、相手に何を目的にどのようなロジックで話を展開させるかをあらかじめ宣言していることに近しい。こうすることで、話し手が話す内容それぞれの位置づけが把握しやすくなり、「今なぜこの話をしているのか」「全体の結論に対してどう影響するのか」ということが分かりやすくなる。
これが分からないと、聞き手の頭には“はてなマーク”が浮かんでしまい、内容そのものの理解に集中してもらえなくなる可能性がある。従って、まずは枠組みから話し、その枠組みに沿って内容を伝えると聞き手にとって分かりやすくなる。
次に「論点に沿って内容を伝える」についてだが、その基本的な型は2通りある。
1つ目は「論点に対する結論→キークエスチョンに対する結論」という流れである。つまり、キークエスチョンとそれを明らかにするための論点について合意した上で、それぞれの論に対する解を述べていき、最終結論を述べる流れである。
2つ目はその逆で、「キークエスチョンに対する解を先に述べ、その理由として各論点に対する結論を述べていく」流れである。どちらの順番で話をするかは自分の頭で説明のシミュレーションをしてみて、話しやすいほうを選択するとよい。
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