【箱根駅伝】「星七の分まで優勝したよ」亡き友に捧ぐ連続区間賞…青学大4年生コンビの思い

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2026年01月03日 19:52  日刊スポーツ

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箱根駅伝 往路 1位でゴールする10区折田(手前)を出迎える原監督ら青学大の選手たち(撮影・垰建太)

<第102回箱根駅伝>◇3日◇復路◇箱根−東京◇5区間109・6キロ



青学大の4年生コンビは、亡き友への思いを胸に力走した。8区塩出翔太は区間新記録となる1時間3分45秒で3年連続の区間賞をつかみ、9区佐藤有一も初出走ながら区間歴代3位の1時間7分38秒で区間賞。昨年2月に悪性リンパ腫のため21歳で亡くなった皆渡星七(みなわたり・せな)さんへ、同学年2人が3連覇を届けた。


 ◇   ◇   ◇


その力走は、天国の皆渡さんへきっと届いた。


8区で区間新記録を打ち立てた塩出は「『よくやった』って言ってくれるかな」と思いをはせた。9区で区間賞を受賞した佐藤も「きっと笑ってくれているんじゃないかな」と視線を上向けた。


塩出には皆渡さんに救われた瞬間がある。3年時の24年全日本大学駅伝の最終8区。2位国学院大と4秒差の先頭でタスキを受けたが、区間15位と低迷して逆転を許した。終盤には駒大にも抜かれて、最終順位は3位。「帰りたくない」と気落ちしたまま東京の寮に戻った。


その時に皆渡さんが最初に声をかけてくれた。


「翔ちゃんじゃないと走れなかった。誰が選ばれても、あの展開だったらきつい。箱根は絶対に優勝してほしい」


光が差した。「助けられたというか、救われた言葉でした」。その言葉に奮い立ち、約2カ月後の箱根では8区区間賞を獲得。最上級生となった今夏の合宿でも、1カ月あたりの走り込みはチームトップの約1500キロに及んだ。皆渡さんの声で、前を向くことができた。


佐藤は皆渡さんの明るさが忘れられない。「テンションが高くて、いつも前向きでした」。前回の箱根前はともに6区出走を目指して切磋琢磨(せっさたくま)した。その最中に病気を発症したが、決して下を向かなかったという。だから自分も諦めず、最終学年で箱根を初出走するまでに成長できた。


皆渡さんへの思いは4年生全員が同じだった。昨年12月の最終ミーティング。「星七の分まで頑張ろう」と自然と声をかけ合い、今大会は油性マジックで足や腕に「★7」を書き込んだ。


塩出と佐藤も皆渡さんへの思いを胸に、区間賞と奮闘。3連覇に大きく貢献した。


今、天国の皆渡さんにどんな言葉をかけるだろうか−。


塩出は「『やったぞ』って言いたい」とほほ笑み、佐藤は「『星七の分まで優勝したよ』と伝えたい」と目の奥を光らせた。


亡き友に捧ぐ力走だった。【藤塚大輔】

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