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電気通信大学の梶本研究室に所属する研究者らが発表した論文「Reducing Discomfort by Changing the Interpretation of the Cause of Pain」は、VRを活用した新たな痛み軽減手法を開発した研究報告だ。
従来のVR技術を用いた痛み軽減法は、視覚的に注意をそらすことで認知負荷を減らし、痛みの知覚を抑えるというものだった。しかし、痛みに対する不安が強い人や、注意をそらすことが苦手な人には効果が限定的であるという課題があった。
研究チームが提案する手法は、痛みから注意をそらすのではなく、痛みの原因の解釈そのものを変えるというアプローチだ。
実験ではヘッドマウントディスプレイ(HMD)と電気触覚デバイスを装着する。装着者には、腕に装着した電気触覚デバイスからの電気刺激による痛みと同期して猫が引っかく動作をVRで見せる。
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すると、本来は痛みとして感じるはずの刺激が、猫との楽しいふれあいとして知覚され、痛みが別の発生源から生じているかのような錯覚が作り出される。
実験では、電気刺激のみを与えた条件、猫の引っかきアニメーションと同期させた条件、アニメーションを遅延させた条件の3つを比較した。結果、アニメーションと同期させた場合に、刺激の強度や不快感が有意に低減し、刺激の質的な解釈も変化することを確認した。
この手法の利点は、痛みの刺激そのものに注意を向けていても効果があるため、注射のように他者から痛みを与えられる場面だけでなく、脱毛やシェービングといった自分で行う日常的な処置にも応用できる可能性がある。なお、この手法の効果はARにおいても有効だ。
この研究は12月に香港で開催されるコンピュータグラフィックスなどの技術カンファレンス「SIGGRAPH Asia 2025」の展示イベント「Emerging Technologies」で発表された。
Source and Image Credits: Hibiki Onoda, Shoha Kon, Keigo Ushiyama, Izumi Mizoguchi, and Hiroyuki Kajimoto. 2025. Reducing Discomfort by Changing the Interpretation of the Cause of Pain. In Proceedings of the SIGGRAPH Asia 2025 Emerging Technologies(SA Emerging Technologies ’25). Association for Computing Machinery, New York, NY, USA, Article 16, 1-2. https://doi.org/10.1145/3757373.3763770
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※Innovative Tech:このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。X: @shiropen2
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