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帝国データバンクの調査によると、2025年における美容室の倒産件数が235件に達し、過去最多を更新した。前年(215件)を上回り、2年連続で最多となっている。小規模経営の美容室が開業から数年で倒産するケースが目立った。
倒産した美容室の約9割は、資本金1000万円未満の小規模経営の事業者だ。大手チェーンや低価格カット専門店の拡大、新規開業の増加による競争激化に加え、コスト高や人手不足が重なり、経営体力の乏しい小さな美容室の淘汰が進んだ。
業歴別に見ると、設立「10年未満」の倒産が全体の49.0%を占めた。この割合は倒産件数が年間100件を超える水準で推移した2008年以降で最も高い。
倒産までの期間も短くなっている。2025年は平均13.0年と前年(14.1年)を下回り、コロナ禍が始まった2020年以降で最短となった。各種支援策により客数が大きく落ち込んでも持ちこたえた店舗が多かったコロナ渦と比べ、美容室の「短命化」が再び顕著になってきた。
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人材確保の難しさも経営を圧迫している。美容室の増加を背景に美容師の争奪戦が激化しており、「人材不足」を理由とする倒産は11件に上った。
帝国データバンクによると、資金力のある大手チェーンや有名サロンでは、充実した福利厚生や働きやすい環境をアピールしたり、InstagramなどSNSのフォロワーが多い美容師を確保して集客力を高めたりしているという。
一方、多くの中小美容室では、スキルや知名度のある美容師の採用が難しく、賃金や労働環境の改善を求める既存スタッフの離職も課題となっている。新卒スタッフを採用しても、技術を習得すると独立するケースもあり、人材の定着が進みにくい状況だ。
シャンプーやカラー材などの美容材料、電気代やテナント料、人件費などの運営コストも増加している。他方で、物価高による消費者の節約志向も強く、施術料金を引き上げても、集客目的の割引キャンペーンにより値上げが浸透しないケースも見られるという。
帝国データバンクは「ヘアカットのみ値上げを行い、カラーとのセット施術は据え置きとすることで客単価のアップを目指す戦略や、エリア毎に値上げ幅を細かく調整することで価格転嫁に成功するといった事例もあり、値上げをどう受け入れてもらうかが重要」だと指摘した。
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