
俺は夜中にこっそり起きて、サエコが隠している通帳と印鑑を探しました。良心が痛まないわけではなかったのですが、それ以上に「現状を何とかしなきゃ」という気持ちが強かったのです。通帳と印鑑が入った小さな箱を見つけだし、その箱の蓋を開けようとした瞬間……部屋の電気がついたのです。

サエコの表情は怒りではなく、深い諦めに満ちていました。サエコがすべてを見抜いていたという事実に、俺は激しく動揺しました。サエコは諦めたように最終通告をしました。あらかじめ用意していたであろう離婚届を、青ざめる俺に突きつけてきたのです。
「家族を守るため」と自分に言い聞かせ、夜中にこっそり通帳を探していました。
もしバレてもあとで謝れば済むと甘く考えていたのです。
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俺の思惑はすべてサエコにバレていたと知り、顔面蒼白。
「家族の貯金に手を付けようとした裏切り者だ」とサエコは諦めた顔で離婚届を突きつけてきました。
離婚届を見て、初めて事態の深刻さに気がつく俺。
床に崩れ落ちて許しを乞いましたが、もうすべてが手遅れだったのです。
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