
ハッピーターン担当の歴舎(れきしゃ)直輝さん。現在のハッピーターンはさまざまな改良が加えられて、常に進化を遂げているロングセラー。96g入り(参考小売価格248円・税込)がスタンダードで、79g入り、67g入り、28g入りや60g入りの4連商品もある
1976年に誕生してから、長きにわたって国民に愛され続けている洋風せんべいの「ハッピーターン」。発売50周年を記念して、ハッピーターンにまつわる10のトリビアを亀田製菓の担当者の歴舎(れきしゃ)直輝さんが紹介してくれました!
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【トリビア1】名前の由来は当時の世相から!
ハッピーターンが誕生した1976年当時の日本は、オイルショックの影響もあり、不景気の波が押し寄せていました。
そんな暗いムードの中、少しでも世の中を明るくしたい、消費者に喜んでもらいたいとの思いから、新しい米菓を開発することに。完成した商品には、幸せ(ハッピー)が戻ってくる(ターン)ようにとの願いを込めて「ハッピーターン」と名づけました。
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当時としてはかなり斬新なネーミングで、その頃の米菓は〇〇味や△△焼きといった商品の特徴が入っているものが一般的でした。ところが、ハッピーターンは、米菓どころか食品かどうかもわからない名前です(笑)。ただ、50年も愛され続けてきたのは、ハッピーターンという名前が持つ独自性や響きの良さもあったのだろうと思います。
発売当初のハッピーターン。ネーミング、甘じょっぱい味、パウダーによる味つけ、サクサクの軽い食感、キャンディラッピングと、当時はすべてが斬新だった洋風せんべい
【トリビア2】当初のターゲットは女性と子供だった!
戦後間もない食糧難の時代のこと。「男はどぶろくで気晴らしができるが、女性や子供には楽しみと言えるものがない。何か生活に喜びと潤いを届けたい」という思いから亀田製菓のお菓子作りは出発しています。
この創業理念と同様にハッピーターンも「女性とお子さまに喜んでいただきたい」というところからスタートしました。なお、現在の購買層は、30代、40代のファミリー層が中心です。米菓としてはとても若い世代に受け入れられているのも、ハッピーターンならではです。
全国屈指の米菓メーカーである亀田製菓が、心血を注いできた「ハッピーターン」。その50年の歴史をたどる!
【トリビア3】人気に火が付いたのは関西より西方面!
従来のせんべいは、醤油味や塩味などのしょっぱいものが主流でした。そこで新感覚の米菓を作るべく、当時の開発チームが考案したのが、砂糖や塩、アミノ酸などを配合した甘じょっぱい洋風の味です。
しかも、堅焼きではなく、サクサクの食感のもの。さらに、塗って味つけをするのではなく、洋菓子のようにパウダーをまぶす方法を取りました。それまでの米菓との差別化を図ったんですね。
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ところが、あまりにも斬新すぎたのか、最初の3年くらいは売り上げ的に苦戦。しかし、地道な営業努力のかいもあって、関西以西から徐々に売れ始めていきました。地域柄として、西日本のほうが甘いものが好まれる傾向があるんですね。また、テレビCMの効果もあって、ハッピーターンは全国的に受け入れられていきました。
【トリビア4】メリットだらけのキャンディラッピング
ハッピーターンの特徴のひとつにキャンディラッピングがあります。キャンディの袋のように両端をねじって、個包装にしています。これも従来の常識を破るもので、より洋風せんべいというオリジナリティを打ち出せたと思います。
ちなみに、個包装にしたことで、大きく3つのメリットがあります。ひとつは、粉がはがれ落ちにくいこと。そして、手が汚れにくく、シェアしやすいことです。
ハッピー王国やターン王子のトリビアが載っている包装紙は全112種類。その中にひとつだけ見つけたらハッピーになれる「ラッキー包み紙」も
【トリビア5】生地への工夫が粉の付着率をアップ
ハッピーターンの売り上げが大きく飛躍するきっかけになったのが、2005年から採用している「パウダーポケット」です。これは生地の表面にミゾをつけることによって、"魔法の粉"ことハッピーパウダーの付着率が大幅にアップ! この甘じょっぱい味を、よりしっかりと味わえるようになりました。
07年には、生地の表面に細かい凹凸をつける改良を加えて、一段とパウダーが定着するように。この「パウダーキャッチ製法」によって、ますますお客さまの心をつかむことができました。
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【トリビア6】一番多い要望は「○○だけください」
お客さまからの一番多い要望は「ハッピーパウダーだけください」というものです。この粉こそがハッピーターンの命であり、なかなかそれを実現させるのは難しいんですが......。
実際に、レシピを知っている人間はごく少数で、パウダーの製造現場も厳重に管理されている状態です。
それでも要望にお応えしたいという気持ちが、ハッピーパウダーを増量した商品の開発につながっています。現在、コンビニエンスストア限定でパウダーを250%増量したハッピーターンを発売しておりますが、とても好評をいただいています。特に、20代、30代の若い世代の方からの支持が高いのも強みです。
ちなみに、パウダーをもっと増量した商品が欲しいというお声もいただきますが、これ以上増やすと味が強くなりすぎるのと、付着率の関係で、現状では250%がベストではないかと考えています。
現在は、パウダー250%の商品の11袋にひとつの割合で入っている希少なハート型のハッピーターン。過去には、こいのぼり型やおばけ型のものも
【トリビア7】知られざるターン王子の秘密
ハッピーターンに初めてブランドキャラクターが登場したのは86年ですが、このときはパッケージに印刷されているだけでした。その後、00年に"ハッピーちゃん"、04年に"ハピたん"という新キャラクターが誕生します。そして、09年に登場した4代目のキャラクターが"ターン王子"です。
ターン王子は「ハッピー王国」の王子様で、年齢は8歳。本名は、プリンス・ハッピー・ターン・パウダリッチといいます。身長はマグカップくらいで、体重はハッピーターンひとつかみ分。決めゼリフは「おいしくって、やっターン♪」です(笑)。
現在、ハッピーターンの包装紙には、ターン王子の特技などのトリビアが紹介されています。ぜひそちらもチェックしてみてください。
4代目となる現キャラクターのターン王子。イベントやSNSでも大活躍中!
【トリビア8】ラッキーアイテムのハート型の出現率!
00年から一部商品に低確率で入るようになったハート型のハッピーターン。現在は、250%の商品に、11袋に1個の割合で入っています。ハート型を見つけると、ハッピーなことが起こるという都市伝説も生まれました(笑)。
ほかにも、こどもの日に合わせてこいのぼり型のハッピーターンや、ハロウィンの時期におばけ型のハッピーターンを入れたこともあります。こういう遊び心は、これからも大切にしていきたいですね。
現在は、パウダー250%の商品の11袋にひとつの割合で入っている希少なハート型のハッピーターン。過去には、こいのぼり型やおばけ型のものも
【トリビア9】期間限定商品で一番ヒットしたもの、それは......
12年から通年で始まったハッピーターンの期間限定商品。その中で最も売れたのは、昨年発売した「しあわせバタ〜味」です。
これはカルビーさんとのコラボ商品で、ポテトを原料に使用することによって、ポテトチップスのような風味を再現しました。また、バターや蜂蜜などの素材とハッピーパウダーを組み合わせることで、より濃厚で満足感のある甘じょっぱさを実現。名前が「幸せ」同士という話題性も手伝って、過去最高のヒットとなりました。
逆に、厳しい印象だったのは、マンゴー味(14年発売)やレアチーズケーキ味(15年発売)です。甘じょっぱさが特徴のハッピーターンが、甘さに味が寄ってしまうと、パウダーの魅力が薄れてしまいます。かといって、ありきたりの味だとワクワクしづらいという。そのあんばいがとても難しいですね。
昨年、カルビーとのコラボで大ヒットした期間限定商品の「ハッピーターン しあわせバタ〜味」。「幸せ」同士のコラボは大きな話題に!
【トリビア10】ワンランク上のハッピーターンがある
おやつやお茶請けに最適なハッピーターンですが、実はワンランク上の商品を提供しているショップがあります。それが12年にオープンした「HAPPY Turn's(ハッピーターンズ)」です。
ハッピーパウダーをベースに、和三盆や塩バターなど、和洋さまざまな素材を組み合わせた個性豊かなフレーバー。国産米を使用して、米粉の粒度もこだわった生地は、口の中で溶けていくような食感と、サクサクとした歯応えが楽しめます。手土産やギフトとしても大好評です。
ワンランク上のハッピーターンを提供している「HAPPY Turn's」の「ハッピーポップ」(30個入り、2160円・税込)。店は、阪急百貨店うめだ本店など全国3店舗で、オンラインでも購入可能
ともあれ、誕生から50年たった今こそ、あらためて開発当初の理念に立ち返り、皆さまにハッピーがターンするような商品にしてまいりたいと思います。これからもハッピーターンをよろしくお願いいたします!
●歴舎直輝 Naoki REKISHA
亀田製菓米菓スナック担当マネージャー。2010年、亀田製菓入社。14年からマーケティング戦略部で一貫して米菓に携わってきたハッピーターン担当
取材・文/浜野きよぞう

