米ホワイトハウスで記者会見するトランプ大統領=20日、ワシントン(AFP時事) 【ニューヨーク時事】トランプ米政権が相互関税に代わり導入した世界一律の追加関税は各国・地域を「勝者」と「敗者」に分ける見通しだ。もともとの関税率が高い中国に有利な一方、負担が比較的軽かった英国には打撃となる。日本などへの影響は限られるが、今後の動向を巡る不透明感が引き続き経済の足かせとなりそうだ。
英調査会社オックスフォード・エコノミクスの推計によると、新関税がトランプ大統領の意向通りに15%となった場合、対中国の実効関税率は35.2%から27.2%、ブラジルは17.9%から9.6%と、いずれも約8ポイント下がる。バングラデシュなど一部のアジア諸国も低下幅が大きく、「勝者」に分類できるという。
半面、相互関税が10%だった英国とオーストラリアは負担が増し、「最大の敗者」になるとの見方を示した。日本や欧州連合(EU)、韓国などは相互関税が15%とされてきたため、影響は小さいが、関税率が大きく下がる国々と比べると「相対的に不利だ」と分析する。
米国の世界全体に対する平均実効関税率については、米欧の複数の機関が低下すると試算。米エール大予算研究所は16.0%から13.7%に、スイスの貿易研究機関グローバル・トレード・アラートは15.3%から13.2%に下がるとみている。
それでも歴史的な高水準であることに変わりはなく、関税政策の行方を巡る不透明感も依然大きい。市場関係者からは「企業の設備投資が抑制され、経済成長と生産性にとって永続的な重荷となる」(米銀)との声が出ている。