
私たちの身近な動物でもあるカラス。実はこの時期、生まれたばかりのヒナを守ろうと気性が荒くなるといいます。その被害は、人やインフラ、さらに“夢の国”のあの人気キャラクターにまで…対策が追いつかない理由とは。
【写真で見る】ラプンツェルの頭がボサボサに…カラスによる被害
目的は「巣作り」 ラプンツェルの頭にむらがるカラスディズニーのキャラクター「ラプンツェル」が、カラスに髪を引っ張られている映像。よく見ると髪は引きちぎられ、カラスが咥えています。
同様の被害はラプンツェルの仲間、白馬の「マキシマス」にも。
“夢の国”、東京ディズニーリゾートで一体何が起きているのでしょうか。
東京大学・総合研究博物館の松原始特任准教授によると、目的は「巣作り」。
東京大学 総合研究博物館 松原始 特任准教授
「全部巣の材料です。ぶっちぶっちやってる。ラプンツェルでなくても、動物でもやる」
この時期から始まる子育てのためで、柔らかく保湿性の高いものを好むといいます。
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奈良公園では、カラスがシカのお尻の白い毛をついばむ姿も。シカは嫌がるそぶりをみせますが、お構いなしです。
そして、子育てが本格化したカラスは、ヒナを守るために人を襲うこともあるということです。
東京大学 総合研究博物館 松原始 特任准教授
「(カラスの)声がだんだんかすれて、『カー!』って言い出して、それをやり出したら“ヒナが近くにいるな”と思って、なるべく早く離れたほうが安全」
3月から4月にかけてピークを迎えるカラスの「巣作り」ですが、身近な“電柱”にもあるのです。
揺れにくく、外敵から身を守れる高さがあるため、電柱は巣を作る場所として適しているといいます。
卵をあたためているのでしょうか、うずくまるカラスの様子も。
卵が冷えないよう動物の毛は巣の中心、下から見ると、中心部以外には大量のハンガーが使われています。
実はこの巣が“深刻な問題”を引き起こしています。
2025年3月に山口県内で発生した停電は、カラスの巣が電柱の設備に接触したことで発生し、復旧までに約2時間かかりました。
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さらに、9日の午後には、東北新幹線がストップしました。大宮駅近くの電柱にあったカラスの巣を、停電の恐れがあったため撤去したのです。
ただ、巣の撤去は簡単ではありません。巣の下にネットを張り、接近。主のいなくなった巣を2人がかりで撤去します。
こうした撤去作業は、東京電力の管内で毎年3000件ほど、中部電力や東北電力の管内ではそれぞれ2万件以上行われています。
そして、カラスを含む動物が原因の停電は、全国で年間854件にも上ります。
カラス巣の撤去 “許可”が必要な場合も… 作らせない工夫とは?小川彩佳キャスター:
カラスの巣は、子育てを行うためのゆりかごです。
3月下旬〜7月上旬が繁殖期で、卵を産んでヒナを守るために、人を攻撃することもあるということです。
教育経済学者 中室牧子さん:
カラスの巣の撤去には鳥獣保護法の制約があり、例えば卵やヒナがいる場合は撤去に許可が必要になります。そして、その数が非常に多い状況です。
さらに、カラスは都会での生活に適応しているため、撤去作業には相当の手間・時間がかかっていると思われます。
小川彩佳キャスター:
巣を“作らせない”対策も必要ですよね。
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教育経済学者 中室牧子さん:
カラスが巣を作る時期は2月〜4月に集中しているとみられています。
その時期は、外にハンガーを出しっぱなしにしない、ゴミにネットをきちんとかけるといった工夫で、巣を作らせないようにすることが重要です。
インフラの被害となると、私達の生活にも大きな影響を及ぼします。
最終的には、むやみな殺生をするのではなく、共生していくことが大切です。日頃の生活から、できることをしていきたいです。
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<プロフィール>
中室牧子さん
教育経済学者 教育をデータで分析
著書「科学的根拠で子育て」

