
京都という限られた地域についてではあるが、興味を引かれるデータだ。全国健康保険協会京都支部(京都市)は、同支部が保有するビッグデータを分析し、健康診断で「要治療」または「要精密検査」と判定された人のうち、医療機関を受診していない人が約70%に上る実態を明らかにした。「京都働き世代の健康データブック」で公開した。
同データブックは「令和5年度版」から年1回公開され、今回が第3弾。第1弾は業態別の健康課題、第2弾は健康経営の効果分析を行った。第3弾は健診後の受診状況に焦点を当て、課題の把握に加え、医療機関受診につなげるためのヒントとデータをまとめた。
約70%が医療機関を未受診という結果について、協会けんぽ京都支部は、本来受診が必要な人の多くが医療機関受診に至っていない実態を示しているととらえている。データブックでは、事業所が従業員に対して受診を促す「声かけ」のポイントや、勧奨文書のひな型も掲載。事業所から労働者への受診勧奨のサポートとして活用できる。
他にも、年代に応じた健康リスクと生活習慣の関係を可視化しており、年齢が上がるとともに生活習慣は改善傾向にある一方で、一度悪化した健康リスクは改善しにくいことが示されており、若い世代からの正しい生活習慣や健診の習慣づけなどの重要性を解説している。
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企業が従業員の健康リスクを経営課題とし、戦略的に改善策に取り組む「健康経営」の考え方が世の中に広まりつつある。協会けんぽ京都支部は、事業所の健康経営をサポートする「京(きょう)から取り組む健康事業所宣言」を実施している。データ分析からは、健康宣言に参加した事業所と、していない事業所の男性の受診率では約10%もの差が見られたという。
同支部は、「健診は受診して終わりではなく、その後の行動が大切。今回の分析は、健診後の受診状況の実態と、年代ごとの傾向を明らかにしたもので、必要な人が適切な受診行動につながるきっかけとなることを目指している」としている。

