
発生から6日目を迎えた岩手・大槌町の山林火災では、今もなお延焼が続いています。
なぜここまで延焼が拡大してしまっているのでしょうか。(4月27日「Nスタ」午後5時ごろの放送より)
鎮圧のめど立たない山林火災 焼損面積は千代田区に相当?井上貴博キャスター:
岩手県大槌町で発生した火災は、現在も鎮圧のめどが立っていません。
▼吉里吉里
覚知:22日午後4時半ごろ
約1172ヘクタールが焼損
▼小槌
覚知:22日午後2時前
約446ヘクタールが焼損
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約1172ヘクタールというのは東京・千代田区や文京区と同じくらいの面積。
なお、「出火原因」は調査中です。
27日午前7時時点の「被害状況」は以下のようになっています。
▼避難指示 1558世帯 3257人
▼人的被害
・60代の女性が避難所で転倒
・40代の消防団員が右手を負傷
▼物的被害 住宅含む8棟が全焼
また、刻一刻と、燃えている場所が変わっているということです。
NASAの人工衛星の画像分析に基づき公表している熱源の地図(NASA FIRMS)によると、
▼22日に南側に集中していた熱源は、
▼23日には北側に移動、
▼24日には3方向に広がっています。
風向きなどによって状況が変わるため、予測が難しいといいます。
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なぜここまで延焼が拡大したのでしょうか。
東京理科大学の桑名一徳教授によると、3つのポイントがあるということです。
▼地形:リアス海岸
→複雑な構造で、風向きが変わりやすい
→急峻な地形が多く、消防団員が入っていくのも困難
▼天候:強風・乾燥
→22日の釜石 湿度9%、最大瞬間風速21.3m/s
▼可燃物:針葉樹林が約5割
→マツ・スギなど油分を多く含む
→燃えやすいものが多く、一気に広がる
林野庁のデータによると、山林火災の出火件数はここ4年で減少しています。一方で、焼損面積は倍以上に増えています。
【山林火災】
▼2020年
出火件数:1239件
焼損面積:449ヘクタール
▼2024年
出火件数:831件
焼損面積:1073ヘクタール
出火件数は減っていますが、大規模な山林火災が増加しているといえるのかもしれません。
そのため火災が発生すると、消火が難しいということなのではないでしょうか。
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東京理科大学の桑名一徳教授は「火災に対して、危機管理の意識が高まっているので件数は減少。ただ、極端な気候変動により地表が乾燥していて、火災が発生すると被害が広がってしまう」としています。
また、桑名教授は、温暖化による山林火災の“負のサイクル”についても指摘します。
【温暖化→乾燥→山林火災→二酸化炭素濃度上昇】
「温暖化」によって乾燥地帯が増え、
「乾燥」によって山林火災が増える、
「山林火災」が増えると二酸化炭素濃度が上昇し、
「二酸化炭素濃度が上昇」することで、また温暖化が進む。
この負のサイクルを、どこかで断ち切らなければならないといいます。
日本は、地震については意識を高く持っていると思いますが、火災については考える部分があるように感じます。
「もう少し降ってくれると…」大槌町に雨マークも火災どうなる?ウェザーマップの予報によると、大槌町は28日、29日、5月1日に雨マークとなっています。
2025年の大船渡市の山林火災の際は、26ミリの雨で状況が変わったといわれています。
気象予報士によると、大槌町の5月1日の雨は約10ミリと予想されていて、「もう少し降ってくれるといい」ということです。
また、2026年は低気圧の位置がずれていて、東北の太平洋側は太平洋高気圧に覆われやすく、これから数か月間は乾燥した状況が続きやすいといいます。
