限定公開( 1 )

PPIH(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)が運営するドン・キホーテのPBで展開する、鍵・荷台・ライトをあえて省いた自転車「Option-0」(オプションゼロ、1万1000円)が好調だ。3月21日に関東で先行発売し、入荷後すぐに売り切れるケースが相次いでいる。全国展開は7月の予定だ。
ドンキで販売している従来型の一般的自転車の平均価格が2万円を超える中、オプションゼロは装備を絞ることで、税別1万円に抑えた。カラーはベージュ、グリーン、ネイビーの3色を用意した。
開発を担当した、2MDホーム&レジャーマーチャンダイザーサブマネージャーの山本一統氏は「全体のコストを見直して、自転車として必要な品質を担保しながら、誰が見ても安いと思っていただける価格にした」と話す。
自転車市場は近年、原材料費や物流費の上昇で価格が上がっている。ドンキの取り扱い商品でも、一般自転車の平均価格は4年間で約1.4倍、金額にして約6000円上昇した。同社はこれまで日常使い向けの安価な自転車を購入していた層で、物価高を背景に購入を見送る動きが出ているとみる。
|
|
|
|
オプションゼロは、こうした需要を取り込む狙いで投入した。実際、近所の買い物や駅までの移動などで使う目的で、主婦や高齢者などが購入するケースが多いという。
●開発のヒントは“チューナーレステレビ”
オプションゼロの開発のヒントとなったのは、ドンキで累計7万5000台以上を販売した「チューナーレステレビ」だ。
同製品は、地上波放送を受信するためのチューナーを搭載せず、インターネット接続による動画配信サービスの視聴に特化することで、低価格を実現している。不要な機能を削ることで価格を下げるという発想を、自転車にも応用した。
山本氏は「1つの商品に複数の機能を付けてお得さをアピールするケースも多い。しかし、付加価値がないことで不便と感じなければ、それはいらないと思っている」と話す。
|
|
|
|
オプションゼロでは、鍵・荷台・ライトの3つを省いた。鍵やライトは既に持っている人が一定数おり、後部の荷台は使わない人も多いためだ。必要な場合は、利用者が後付けできる。
一方、日常利用に必要な要素は残している。通勤通学や買い物などで使うことを想定し、前のカゴは標準装備とした。また、ベルは道路交通法で装着が義務付けられているため、省いていない。
この他、流通や車体設計の工夫により、安全基準を満たしながらコスト削減を進めた。
●安全面の対策も
ライトは昼間の走行であれば法律上必須ではないが、トンネル内や悪天候時、日没後の夜間走行などでは点灯しなければならない。4月1日からは、自転車にも交通反則通告書「青切符」が導入され、無灯火は反則金の対象だ。
|
|
|
|
一方、近年は着脱が簡単なライトも増え、盗難防止のため取り外して持ち歩く利用者もいるそうだ。こうした実態も、装備を省く判断を後押しした。また、ドンキで販売している製品を同時購入するケースも一定数ある。
ドンキでは、1台ごとにポップで「自転車にはライト取り付け義務があること」を掲示し、安全面に配慮しているという。また、販売時にも鍵やライトは付属していないことを説明し、必要に応じて購入を促している。
今後、全国展開の反応を踏まえ、電動アシスト自転車でも同様のコンセプトの商品展開を検討する。
下記の関連記事にある「【完全版】ドンキ、鍵もライトもない「1万円自転車」が好調 “装備を削る発想”はテレビから 安全面は?」では、配信していない注意喚起ポップの写真なども閲覧できます。
|
|
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2026 ITmedia Inc. All rights reserved. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。