海底レアアース採掘に挑む=国産化へ一歩、課題は採算性―南鳥島

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2026年05月06日 08:01  時事通信社

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引き上げられた南鳥島のレアアース泥=2月、南鳥島沖(JAMSTEC提供)
 資源に乏しい日本にとって死活問題となるのが、レアアース(希土類)など重要鉱物の確保。政府は日本の最東端にある南鳥島(東京都小笠原村)周辺の海底に眠る重要鉱物の採掘に挑んでいる。今年2月には水深6000メートルにあるレアアース(希土類)を含む泥の試験採取に成功、国産化へ一歩前進した。2028年以降の商用化を目指すが、経済安全保障上の重要性と採算性とのバランスをいかに取るかが課題となる。

 南鳥島近海の海底には、豊富な鉱物資源が眠っているとされる。これまでに電気自動車(EV)の電池材料となるコバルトやマンガンを含む「コバルトリッチクラスト」や「マンガン団塊」を確認。さらにEVに使われる高性能モーターや風力発電機に必要なネオジムやジスプロシウムといった希少で高価な重希土類を含んだレアアース泥の存在も判明。政府主導で開発を進めている。

 「世界初の挑戦をするため、年数をかけて技術開発を進めてきた」。内閣府でレアアース泥の開発を率いる石井正一氏はこう説明する。

 今回、内閣府と海洋研究開発機構(JAMSTEC)は探査船「ちきゅう」から、長さ約10メートルのパイプ約600本をつなぎ合わせ、先端の採鉱機で泥を閉じ込めながら海水と混ぜて吸い上げる方式を採用。石井氏は「採鉱機が海底に着地するまでひやひやしたが、試験が成功しひと安心だ」と胸をなで下ろす。

 22年に茨城県沖で接続試験を実施し、改良を重ねてきた。27年には1日350トンの泥を採掘しレアアース回収の採算性を評価する計画で、政府は25年度に164億円の予算を確保した。

 経済産業省などは、採算ラインを1日3500トンと見込む。この規模を実現するには、船舶や脱水設備の増強が必要で「べらぼうに金がかかる」(経済官庁幹部)との声もある。

 ただ、レアアースは中国が絶大な市場シェアを握り、これまでも日中関係が悪化するたびに輸出規制が強化されるなど「武器化」されてきた。それだけに安定調達と脱・中国依存という経済安保上の重要度も高まっている。小野田紀美経済安保担当相は「国家を守るための視点を持った行動をするべきだ」と高コストを許容する構えだ。 

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