ロッテ・横山陸人(撮影=岩下雄太) 「全然体は大丈夫です。そういうのもあると思って今年は入っているので、特に問題なく投げられていると思います」
ロッテの横山陸人は5月2度の3連投があるなど、12試合に登板し、0勝1敗、防御率3.09、球団新記録となる月間11セーブを記録した。
2度の3連投も確かに凄いが、それ以上に素晴らしかったのは、相手に流れが傾きそうなところをしっかりと締めたところ。5月22日の楽天戦、2−1の9回に二死満塁のチャンスで無得点に終わったことに加え、攻撃時間が長かった。相手に流れが来てもおかしくない中できっちりと三者連続三振で締めた。翌23日の楽天戦は2−6の9回に一挙5点を奪い逆転した7−6の9回裏に登板し、先頭の浅村栄斗に四球を与えるも後続を打ち取りセーブ。5月27日の広島戦、5−4の9回満塁のチャンスで無得点に終わった中、9回裏のマウンドに上がり、先頭のモンテロに四球を与えたが、きっちりとスコアボードにゼロを入れた。
横山は「元々逆転したら投げるとは言われているので、それに合わせて作っています。特に急ぐこともなく、時間が余ることなくしっかり集中して体を作れているのかなと思います」と説明した。
◆ スライダーとシンカー
投球面で言えば、5月22日の楽天戦など左打者のカウント球に投げるスライダーが良い。「まっすぐ、シンカーだけになってしまうと、左バッターも逆方向意識で全部打ちやすくなってしまう。1個スライダーという球種があることによって、内に入ってくるボールもケアしなければいけなくなってくるので、そういう駆け引きだったりを最近色々、一辺倒にならないようにと思いながら、考えながら投げています」と明かした。
5月27日の広島戦、5−4の9回一死二塁で前川誠太を1ボール2ストライクから124キロの縦に落ちる変化球で空振り三振に仕留めた。球速的にはスライダーだが、縦に落ちるスライダーか、シンカーだったのか確認すると、「スライダーです」と教えてくれた。
120キロ台のスライダーはかつてチームメイトだったカスティーヨから教わった横曲がりのボール。カスティーヨスライダーとは違うスライダーなのだろうかーー。
「同じですけど、回転軸の関係で縦っぽく落ちた感じになっているだけ。低めに投げようとしたら、縦に腕を振るので勝手に自然と縦にボールが落ちていったのかなと思います」
シンカーも5月22日の楽天戦、2−1の9回先頭の黒川史陽を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた4球目の133キロシンカーがストライクゾーンからボールゾーンに良い落ちを見せれば、5月27日の広島戦、5−4の9回二死二塁で矢野雅哉を1ボール1ストライクから3球目の132キロのシンカーで空振りを奪うと、この球から4球連続シンカーで3ボール2ストライクから6球目の132キロシンカーで空振り三振に仕留めた。
「一時期シンカーがあまり良くなかったんですけど、今月の初めくらいですかね、投手コーチの方に色々話を聞いていい感覚でまた戻ってきたので、このまま感覚を失わずに投げ続けられればいいかなと思います」
◆ 課題の5月を駆け抜ける
開幕直後の3月28日の取材で「自分の中では毎年4月後半から5月ぐらいは調子を落としてしまうところがあるので、自分の体と色々ホークアイで数値も出るので、そういうところで自分の良し悪しを分かりながら、1年間シーズン通して調子を維持できればいいかなと思います」と話していた中で、今年は課題の4月後半から5月を一軍で戦い抜いた。
そのことについては「去年までは5月に一軍にすらいなかったので、その中でしっかり今シーズンはしっかり入れたので、一旦良かったのかなと思います」と振り返りつつ、「それが今シーズンは6月になってくるかもしれないですし、気を抜かずに1年間一軍で投げ続けなければ意味がないので、しっかりやっていければいいかなと思います」と気を引き締めた。
課題の5月を戦い抜き、5月は球団新記録の月間11セーブを挙げた。「結果が出ていることはいいことだと思います。投げさせてもらえる場面ではゼロで抑えていくだけなので、今は試合に投げることに集中して、やっていければ。まだまだシーズンが長いので、数字は意識せずやっていければと思います」。走者を出してもしっかりと試合を締めている。頼もしい守護神になりつつある。
取材・文=岩下雄太