「お母さん、整形したい」娘の一言で壊れていく家族。“現代の問題”描く漫画を「綺麗事では終わらせない」作者の覚悟とは<漫画>

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2026年07月02日 15:50  女子SPA!

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 5月20日にリリースされた漫画『娘に整形したいと言われたら』(KADOKAWA)。タイトルの通り、母・彩がある日、中学生の娘・ひかりから突然「整形したい」と告げられたことをきっかけに、2人の人生が大きく揺れ動く様子を描いた作品だ。

「美容整形」をテーマにした作品は珍しくない。しかし、本作では、整形願望のあるひかりに加え、その願望を突きつけられた母親の葛藤も描くことで、世に蔓延する「外見至上主義」の恐ろしさをより生々しく突きつけてくる。

 作者のうみの韻花氏に、本作のキャラクター造形とストーリー設計など、作品の作り方に関する話を聞いた。

◆彩は「等身大の大人の集合体」

 本作のメインである彩とひかりはどのように作り上げられたのか。

「まずひかりは『もしルッキズムがこれほど蔓延する現代社会に、10代の頃の私が生きていたら』という想像から生まれたキャラクターです。彩は、娘を愛しているけれど完璧ではなく、世間の価値観にも揺らいでしまう『等身大の大人』の集合体として作り上げました。読者が自身の弱さを投影できるような器になればと意識しています」

 また、「どこにでもいるような普通の家庭」を描くことからストーリーはスタートしており、「この問題は決して他人事ではなく、どの家庭でも起こりうる」ということを読者に伝えるために設計したという。

◆リアリティへの徹底したこだわり

 整形に失敗した際のシビアな現実、クリニックでのカウンセリングの生々しい空気感など、無慈悲かつ無情な現実で殴りかかってくる展開に、何度も目を背けたくなる。ストーリー構成において、どのようなことを意識したのか。

「平凡な日常の中に潜む狂気をグラデーションで描き出し、目を背けたくなるような現実をあえて突きつけることで、作品としての説得力とリアリティのバランスをとるよう組み立てていきました。『物語を綺麗事では絶対に終わらせない』というのは最初から決めていたことです」

◆愛情が深いがゆえの葛藤

 物語が進むにつれ、最初は娘の整形に戸惑っていた彩が、やがて自ら整形費用を稼ぐために夜の世界に足を踏み入れるまでになる。

 この展開を描いた背景として、「ひかりが鼻の整形に失敗して引きこもってしまったことで、彩の中で『この子を救うには、もう私が完璧に綺麗にしてあげるしかない』というスイッチが入ってしまったんです」と話す。

「娘を思うあまりに視野が極端に狭くなっていく。愛情が深いがゆえに手段を選ばなくなり、親子の形がいびつに歪んでいく狂気の過程を、誤魔化すことなく描き切りたかったんです」

 漫画というエンタメではあるものの、あえてご都合主義的なストーリーにはしなかったからこそ、本作を読むと「未成年の整形」というトピックについて考えさせられるのだろう。

【うみの韻花】
美容整形の体験談を漫画に描き、XやInstagram、TikTokで配信中。リアルでユーモア溢れるエピソードで人気を博している。著書に『14歳で整形した私 「ブス」の呪いから解けて自分を好きになる日まで』(KADOKAWA)。
X:@umino_otoka、Instagram:@umino_otoka、TikTok:@umino_otoka

<取材・文/望月悠木 漫画/うみの韻花>

【望月悠木】
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):@mochizukiyuuki

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