トランプ氏の要求にNATO懸命の気遣い 背景にヨーロッパの厳しい現実 各国軍事費GDP比5%へ引き上げ表明 “圧力”は日本にも 「再軍備」は世界にどんな影響を…【サンデーモーニング・風をよむ】

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2026年07月12日 16:51  TBS NEWS DIG

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今、トランプ大統領に振り回されているのが軍事同盟のNATO。アメリカを繋ぎ止めようと、ヨーロッパ諸国はこぞって防衛費の増額をアピールしていますが、日本も他人事ではなさそうです。

【写真を見る】NATOに“恨み節”のトランプ大統領

「支援を断られた」トランプ氏、NATOに恨み節 名指しで非難

7月4日、建国250年を迎えたアメリカ。トランプ大統領が「史上最大」と呼んだ85万発の花火が、ワシントンの空を彩りました。

トランプ大統領
「250年間、アメリカは世界中の国々にとって、希望、約束、光、栄光であり続けてきた。世界中の国々が我々のようになろうと努めているが、誰も私たちのようにはなれない。かつてなく強く、自由で、豊かで、安全で、誇り高い」

「アメリカはかつてなく強い」と豪語したトランプ氏。

勢いそのまま乗り込んだのが、NATO=北大西洋条約機構の首脳会議です。到着早々、飛び出したのはNATOへの恨み節でした。

トランプ大統領
「NATOがアメリカのために喜んで何かしてくれるかと思ったが、そうではなかった」

背景にあるのが、今回のイラン攻撃を巡るNATO各国への不満。
ホルムズ海峡への艦艇派遣などの「支援を断られた」として、イギリスやフランス、ドイツなどを名指しで非難したのです。

とりわけ、ルッテ事務総長との会談でやり玉に挙げたのは、自国の領空通過や基地使用を拒否したスペインでした。

トランプ大統領
「スペインには何にも同意しないし、彼らを守らなくていい」
「スペインとは一切取引したくない、いいか?」

ベッセント財務長官
「承知しました」

トランプ大統領
「スペインと、話すことすらするな。救いようがない。マルク(ルッテ事務総長)、一言いってくれ」

これに、ルッテ事務総長は…

ルッテ事務総長
「大統領、ありがとうございます。イランについてですが、核能力を低下させたことは、ヨーロッパにとっても極めて重要です」

何とかトランプ氏の協力を得ようと、懸命の気遣いを見せるNATO。その理由は、ヨーロッパがおかれた厳しい現実です。

「パトリオットの製造権を与える」アメリカの協力を得たゼレンスキー大統領 背景に…

すでに5年目に入ったロシアによる軍事侵攻。
ウクライナに隣接するヨーロッパにとって、アメリカの軍事力は欠かせません。

6日にはロシア軍の攻撃で、首都キーウで少なくとも28人が死亡。

キーウ市民
「ひどすぎます。ロシアは地獄に落ちればいい」

ウクライナ側は、この日打ち込まれた弾道ミサイル29発について、1発も迎撃できなかったと発表。

NATO首脳会議に参加したゼレンスキー大統領は、迎撃体制強化を訴え、トランプ氏と会談します。

ゼレンスキー大統領
「この戦争を解決するために、全力を尽くしてくれると確信しています」

要求に対し、トランプ氏は、アメリカ製の防空システム「パトリオット」について。

トランプ大統領
「彼らにパトリオットの製造権を与えるということ。すぐ作れるようになるだろう。良いアイデアだ。ミサイルが不十分だと文句を言えなくなる」

ウクライナでの生産を認める考えを示し、何とかアメリカの協力を得ることに成功しました。

実は、NATOによる“事前工作”が、この成果をもたらす形となったのです。

NATOによる“事前工作” トランプ氏に“防衛費増額”や“雇用創出”アピール

6月、訪米したNATOのルッテ事務総長。トランプ氏を前に、突如パネルを使って説明をはじめました。

ルッテ事務総長
「このグラフは『トランプの1兆ドル(約160兆円)』です。あなたが就任してから(NATO加盟国が)どれだけ防衛費を増額したかを示しています」

各国が防衛費を大幅に増加させたことや、兵器の購入で多くの雇用をアメリカにもたらしたことなど、トランプ氏の以前からの要望に応えようと必死にアピールしたのです。

かねて、トランプ氏は防衛費をGDP比5%まで引き上げるよう各国に要求していました。

これに応えるように、NATO各国は5%への引き上げを表明。ドイツやフランスも防衛費の増額を加速しています。

こうした努力が功を奏したのか...

トランプ大統領
「会議場には愛があふれていた。GDP比5%に引き上げるのは誰もが無理だと思っていたが、今では皆が私に感謝している」

NATOに不信感を露わにしていたのが一転、良好な関係を強調して終わったのです。

日本にも及ぶトランプ政権の圧力 高市政権は「安保3文書」改定に向け…

こうしたトランプ政権の圧力は、日本にも及びます。

今回、NATO首脳会議に出席した小泉防衛大臣は...

小泉進次郎防衛大臣
「日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していくことを確認した」

2025年、政府は防衛費についてGDP比1%から2%への増加を前倒しで達成。

さらに高市政権は「安保3文書」改定に向けた作業を進めていて、トランプ政権が求めているとされるGDP比3.5%、年20兆円規模への引き上げも現実味を帯びているのです。

ただ、6月に自民党が発表した提言には、具体的な数値目標や財源は示されていません。

トランプ氏の要求を飲まされる形で、ヨーロッパや日本で進む「再軍備」。

世界にどんな影響をもたらすのでしょうか。

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