
社会的地位があるからといって、器の大きい人物とは限らないものだ。
「自分は交通事業に携わっています」と投稿を寄せた東京都の40代男性(企画・マーケティング・経営・管理職)。数年前、とある客からすでに無効になった回数券について、理不尽な難癖をつけられたという。
男性が調べたところ、相手は誰もが知る大手企業の上級職だった。「当然自分が検索かけられているとは知らずに自分の主張を通そうとしたのでしょうが…」と男性は振り返る。(文:篠原みつき)
「あんたらのやり方がおかしい」3時間居座る幹部
その人物(A氏)は、すでに無効になった回数券について、次のように持論を展開してきた。
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「無効になることを知らなかった。コロナ禍で乗る・使う機会がなく、いくら事業者が告知したところで乗らないのだから知るわけがない。あんたらのやり方がおかしい。よって今から『自分たちの告知方法が間違っていた。ついては今からも払戻しに応じる』と周知しろ」
これに対し男性の会社では、運送約款に基づき規定以上の期間を設けて告知と払い戻しを行っていた。告知方法も法令以上の対応をしていたという。
「どれほど告知しても100%の人に届けることはどだい無理な話です。ですので、こちらの対応に瑕疵はない旨を説明しても一貫して持論を曲げず、居座ること3時間」
平行線をたどったため、とりあえず「社内で検討して返事をする」として帰ってもらったという。
顧問弁護士と相談の上、書面にて「一切対応できない」と一蹴
その後、男性は形式的に上席へ確認。さらに顧問弁護士にも相談したところ、「旅客は公平公正に扱う」という法令に基づき、A氏だけを特別扱いすることはできず、すでに締め切った払い戻しを復活させることも不可能であるとの結論に至った。
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「法令に則っている以上、旅客の主張を拒絶することに問題はない」という弁護士の意見も踏まえ、あらためて対面で会うことも憚られたため、書面にて「一切対応できない」旨を送った。
毅然とした対応を貫いた男性。事後についてこう明かしている。
「社内では、私と同席した上司の2名が、クレーマー相手に3時間闘ったことが信じられなかったようですが、この上ない実績にはなりました」
そしてこのとき以来、その会社の商品を見るとこの件を思い出し、「ほかのメーカーに手が伸びてしまいます」と書いている。
大手企業の上級職という立場でありながら、無理な主張をゴリ押ししてきたA氏。身勝手なクレームの代償は、男性のささやかな不買運動という形で残ることになった。
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