“第4次モーニングブーム”到来のワケ 300円の「朝サイゼ」から1000円超の「ロイホモーニング」も

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2026年07月30日 05:40  ITmedia ビジネスオンライン

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ビッグボーイのプレートモーニング

 外食企業のモーニングサービスが盛況だ。「第4次モーニングブーム」が到来していると指摘する外食関係者も多い。ここ数年、これまでモーニングメニューを提供していなかった「サイゼリヤ」や、ハンバーグチェーン「びっくりドンキー」、ハンバーグ&ステーキチェーンの「ビッグボーイ」などが続々と参入している。


【画像】朝サイゼなど各社のモーニングメニューをじっくり見る


 調査会社のサカーナ・ジャパン(東京都港区)によると、2024年10月〜2025年9月の外食業態における朝食市場規模は5347億円で、前年同期比で3.2%増加した。コロナ前である6年前と比較すると24.5%拡大しており、調査を開始した2014年以降で最高規模となった。


 サカーナ・ジャパンのフードサービスディレクターである東さやか氏は、モーニング市場が成長している理由について、共働き世帯や単身世帯の増加といった、社会構造の変化を挙げている。加えて、食品価格の高騰により、利便性やタイパ・コスパを重視し、朝食を家で食べるより、外食を選ぶ人が増えているという。


●これまでのモーニングブームとどう違うのか


 これまで、日本のモーニング市場には3回のブームがあったとされる。


 1回目は1950年代に、中京地区の喫茶文化を中心に広がった。コーヒーを注文すると、トーストやゆで卵が付いてくる定番スタイルだけでなく、本場とされる愛知県一宮市では、サンドイッチやサラダ、ヨーグルトなどを組み合わせた豪華なモーニングも登場した。当時、繊維産業で栄えていた一宮市では、喫茶店を応接間代わりに商談を行うのが一般的だったという。企業が1日に何度も利用することもあり、サービス競争も激しくなった。


 2回目は1980年代で、ファミレスが全国に拡大し、外食で朝食を取るライフスタイルが浸透した。当時は高度経済成長を経てバブル景気へ向かう時期で、24時間営業の店舗も多かった。ファミレスをはじめ、ハンバーガーや牛丼、立ち食いそばなどの店が早朝も営業し、朝食需要に応えた。


 3回目は2010年頃で、海外の有名店がブームをけん引した。2008年に、スクランブルエッグが名物で「世界一の朝食」と称されるオーストラリア発のレストラン「bills」(ビルズ)が神奈川県・鎌倉に日本1号店を出店。2010年には、ハワイ発のパンケーキ専門店「Eggs ’n Things」(エッグスンシングス)も東京・原宿に初出店した。パンケーキは、ハワイでは朝食の定番の一つだ。


●第4次モーニングブームで相次ぐ“新規参入”


 今回のモーニングブームの特徴の1つが、これまで朝食を提供していなかった外食チェーンの参入が相次いでいることだ。


 サイゼリヤは、開店から午前10時までのモーニング限定メニュー「朝サイゼ」を、2026年1月に東京都と千葉県の3店舗でスタートした。順次エリアを拡大しており、7月22日時点で関東を中心に24店舗まで広がっている。


 「フォッカチオ」にポテトとドリンクバーが付いたセットは300円で、手頃な価格で朝食を楽しめる。さらに「コーンクリームスープ」(150円)や「ほうれん草のソテー」(200円)、「小エビのサラダ」(350円)などを追加で注文できる。ワンコイン以内でドリンクバー付きの朝食を楽しめるレストランは珍しい。


 びっくりドンキーは2021年からモーニングメニューを一部店舗で試験的に導入し、好評を受けて順次拡大している。もともとは、コロナ禍で夜間の集客が難しくなった際、朝の需要を開拓して売り上げを回復できないかという狙いからスタートしたものだ。


 トーストにゆで卵やドリンクが付いた「プレーントースト セット」が400円程度と手頃なうえ、午前11時まではセットのコーヒーがおかわり自由だ。もちろん、ハンバーグも朝から提供されており、通常より一回り小さい「ミニマムバーグディッシュ セット」は700円台で楽しめる。


 ビッグボーイもモーニングを強化しており、現在は41店舗で実施している。サラダバーとスープバーが付いた「プレートモーニング」は693円で、目玉焼きに厚切りトーストかパンケーキを選べる。ドリンクバーは132円で追加できる。


 サラダバーには10種類以上の野菜やフルーツ、ヨーグルトなどが並び、「少しぜいたくな朝食」を取りたい層にマッチしている。看板メニューである「大俵ハンバーグ&フライエッグ」もサラダバー、スープバー付きで1309円で提供されており、通常価格(サラダバー付きで約1500円)と比べてもコスパは良好だ。


 サブウェイは、これまで一部店舗で実施していたモーニングを3月に全店へ拡大した。ラインアップは、ハーフサイズのサンドイッチとドリンクが付いた「モーニングドリンクセット」(420円〜)や、ドリンクの代わりにスープが付いた「モーニングスープセット」(490円)に加え、レギュラーサイズのサンドイッチを提供する「モーニングサンドセット」(580円〜)などだ。運営会社のワタミは「サンドイッチはモーニングとの相性がよく、重要な強化ポイント」と位置付けている。


●既存チェーンもモーニングを強化


 これまでモーニングを提供してきた各社もサービスを一段と充実させ、ランチ以降と比べて割安感のある価格設定を打ち出している。


 牛丼チェーン3社では、牛肉や米の価格高騰を受け、値上げを余儀なくされてきたが、モーニングでは比較的手ごろな価格を維持している。吉野家では、牛丼とみそ汁に小鉢1品を選べる「朝牛セット」を並盛552円で提供。すき家の「牛まぜのっけ朝食」は、牛皿の小鉢にご飯、みそ汁、半熟卵などがセットで430円だ。松屋は「Wで選べる玉子かけごはん」として、ご飯とみそ汁、卵に加え、牛皿などの小鉢を1品選べるメニューを350円で提供している。


 カフェやハンバーガーチェーンでは、パンを使ったメニューを提供していることが多い。ドトールコーヒーでは「ハムタマゴサラダ」「アボカド&ツナポテト」といったサンドイッチが500円台からある。カフェ・ベローチェは、トーストサンドなどとドリンクのセットが500〜600円だ。


 マクドナルドでは「朝マック」と称し、マフィンで挟んだメニューを中心に展開している。ドリンクが付いた「ソーセージエッグマフィンコンビ」は390円からだ。


 モスバーガーは3月に、朝食時間帯限定の「朝モス」メニューをリニューアルした。あらびきポークの「シャウエッセン」を使用した「朝のホットドッグ」はドリンクセットで470円だ。「朝の野菜バーガー 〜オーロラソース〜」(ドリンクセット540円)、「朝のとろったまチーズバーガー 〜テリヤキソース〜」(ドリンクセット590円)などもある。


 一方、高価格帯の朝食メニューを提供している企業もある。例えば、ロイヤルホストは「ロイヤルホストモーニング 〜コーンのポタージュ・サラダ付〜」(1408円)や「モーニングビーフジャワカレー」(1353円)など、1000円超えのメニューが並ぶ。ホテルの朝食代わりや、休日にゆったりと朝を過ごしたい人のブランチとして好評だ。


 ガストは、数百円台の簡単な軽食から1000円を超えるメニューまでそろえている。軽く食べたい人には「ライトモーニングプレート」が500円、がっつり食べたい人には「冷やしぶっかけ大葉おろしうどん&カレー丼」が769円からなど、用途や気分に合わせて選択肢が広いのが特徴だ。「うな重 味噌汁・漬物付き」(1484円)といったメニューもある。


 ガストを展開している、すかいらーくホールディングス(以下、すかいらーくHD)の広報担当者は「モーニングのニーズは多様化している。そのため、近年のガストでは、手軽に楽しめるワンコインモーニングを導入する一方、朝からしっかり食べたいというニーズにも応えている」と話した。


 軽めの朝食に加え、朝からボリュームのある食事を求めるニーズも広がっており、こうした需要を取り込もうと各社で新規参入やメニューの拡充が進められている。


●「朝ラーメン」「朝うどん」「朝カレー」も


 専門店でもモーニングの充実が進んでいる。ラーメンチェーンの「ラーメン山岡家」では、24時間営業の店舗限定で朝5〜11時に「朝ラーメン」(570円)を提供している。豚骨スープに中太麺を合わせた通常メニューではなく、あっさりとした塩豚骨スープに細麺を組み合わせている。いわゆる「朝ラー」を目当てに来る常連も多いという。


 うどんチェーンでは、資さんうどんが午前5〜10時までの限定で「朝定食」を販売している。ミニサイズのうどんに、味付け海苔や玉子焼き、ご飯などがセットで、価格は500円台からだ。


 埼玉県民のソウルフードと称される山田うどん食堂も、開店から午前10時まで限定で、ハーフうどんやそばに、ご飯、目玉焼きなどがセットになった朝定食を400円台から提供している。通常の客単価は900〜1000円台になるため、モーニングメニューは安価だ。


 カレーチェーンの日乃屋カレーの一部店舗では、モーニングメニューとしてカレー付きの定食がワンコイン以内だ。東京都立川市の立川北口店では、カレーとご飯、サラダ、スープが付いた「唐揚げ定食」「ウインナー定食」「納豆定食」が480円だ。


 炭火焼干物定食を提供するしんぱち食堂では、「朝銀じゃけ定食」「朝ぶたばら目玉焼き定食」などを、600円前後で提供している。ランチ以降は、定食の価格は1000円前後になるため、モーニングはお得だ。


●なぜモーニング市場が拡大しているのか


 モーニングサービスを利用する顧客層について、すかいらーくHDの担当者は「コロナ禍前と比べて、モーニングを利用する客層に大きな変化はないが、シニア層や会社員、週末はファミリー層に多く利用いただいている」と話す。利用者の顔ぶれは大きく変わっていない一方で、それぞれの層の利用頻度が高まり、市場全体が拡大しているとみられる。


 背景には、高齢化やリモートワークの定着が挙げられる。リタイアしたシニアが時間を過ごす場として朝から飲食店を利用するケースや、カフェやファミレスで朝食を取りながらPC作業をするリモートワーカーの姿も珍しくない。学生などが勉強の場として利用している様子も見られる。


 夜勤従事者による「がっつり系の朝食」需要も無視できない。仕事を終えた後の食事として、朝からボリュームのあるメニューを求める層だ。働き方改革などで夜勤の在り方は変わりつつあるが、依然として夜間に働く人は多く、こうした需要は根強く残っている。


 モーニングを実施する店舗を訪れると、立地によって利用のピーク時間が異なることが分かった。郊外に位置し、車移動のビジネスパーソンが多く立ち寄る山田うどん食堂では、午前9時台に客足が伸び、モーニング終了の午前10時を過ぎると客数は減少した。一方、同じ郊外でも駅前のドトールコーヒーショップでは、電車通勤前の時間帯である午前7時〜8時台が混んでいた。経営側にとっては、ピーク時間やアイドルタイムに合わせて、人員配置や料理の仕込みなど、細やかな運営の工夫が必要だと感じた。


 このように活況を呈するモーニング市場だが、課題もある。農林水産省の「食育に関する意識調査」(2025年度)によると、60代以上では8割超が「ほとんど毎日朝食を食べている」と回答した一方、20〜30代では約6割にとどまった。


 年齢が若いほど朝食を食べない人が多く、モーニング市場の拡大は若年層の朝食習慣の定着には十分つながっていないことがうかがえる。同調査で20〜30代の約3割は「週に2〜3日食べる/ほとんど食べない」と答えており、2015年調査の約2割と比べると、むしろ悪化している。


 朝食を抜くと、脳のエネルギーが不足して集中力や記憶力の低下につながると言われている。空腹時間が長くなると昼食時に血糖値が急上昇しやすく、食後に眠気や倦怠感が生じる可能性も指摘されている。朝から頭がさえず、昼もぼんやりしている状況は望ましくない。


 朝はなるべく長い時間寝ていたいという気持ちも理解できる。そうした層に、朝食を食べに来店してもらうきっかけをどう作るかが、モーニング市場のさらなる成長の鍵になりそうだ。


 (長浜淳之介)



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  • 意外と侮れないのが、牛丼屋のモーニング!焼き魚だけの定食,ハムソーセージの定食はモーニングでないと食べられな〜〜〜い〜〜〜〜〜����\(^o^)/����
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