「あの人がいるだけで職場がしんどい」約4割が遭遇している“毒社員”の正体…「不機嫌アピール」「反対意見を聞かない」人の共通点と撃退法

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2026年07月30日 09:20  日刊SPA!

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写真はイメージ(以下同)
今、日本の職場を静かに蝕む者がいる。「あの人がいるだけで精神的になぜか削られる」そんな“毒社員”の存在だ。一日の大半を過ごす職場だからこそ一人の毒が与える影響は計り知れない。オフィスに潜む天敵たちを徹底解剖!彼らの対処法に迫る。
◆職場に増殖する“毒社員”たち

インターネット大手GMOが在宅勤務廃止を公表するなど、オフィス回帰が急激に加速。職場での人間関係が密になる中で、新たなトラブルの原因も生まれている。「不機嫌なことを周囲にアピールする」「反対意見に聞く耳を持たない」「他人の成果を自分の手柄のように吹聴する」……。そんな振る舞いで周囲の人間の精神を少しずつ侵食していく、“毒社員”が職場に増殖しているのだ。彼らの存在は会社で働く社員たちの気力や成果を奪っていく。

実際にSPA!が会社員2000人に実施した調査では、約4割がその存在を証言した。「職場に行くと気持ちが沈む」「働く気力が湧いてこない」といった心当たりがあるなら、その不調は隣に毒社員がいるからかもしれない。家族でも友人でもない。しかし一日の大半を同じ空間で過ごさなくてはいけない相手が心身に与える影響は甚大だ。

◆あなたの周りに毒社員はいる?

今まさにいて、日々実害を被っている 12.7%

同僚が被害に遭っているのを目にしている 6.4%

過去に同じ職場にいた(現在は離れた、または自分が転職した) 21.4%

幸い、これまでの社会人人生で一度も遭遇したことはない 48.4%

その他 11.1%

※都市部在住の20〜65歳の会社員2000人にアンケートを実施。期間は’26年7月9〜15日

◆毒社員は心身の健康のみならず寿命まで削っていく

アメリカ・ニューヨーク大学の研究員らが今年2月に発表した研究結果によると、身近にこうした「厄介な人」が1人増えるごとに、ストレスによって老化スピードが1.5%加速。実年齢より約9か月も老けることが証明された。

身近に潜む毒社員は、心身の健康のみならず寿命まで削っていくのだ。精神科医の山下悠毅氏が解説する。

「人間の欲求の根底にあるのは『安心・安全の確保』。そこが担保されて初めて尊厳や活躍、承認といった欲求が生まれます。毒社員はこの生きるための土台を壊す存在。放置すればあなたの健康に悪影響が及ぶのは当然です。朝、足が動かない。眠りすぎてしまう。夜中にひたすらスマホで動画を見てしまうといった行動は“出社”から自分を遠ざける無意識の自己防衛。心身を蝕まれているサインです」

◆静かに伝染していき内側から組織を壊す

組織開発が専門の沢渡あまね氏は「毒社員は職場全体を破壊しかねない」とも指摘。

「したたかに行動する彼らは一見、技術力が高かったり数字を上げていたりするから会社も強くは言えない。すると、傲慢な態度や周囲を萎縮させる発言が“個性”として黙認され、ウイルスのように職場へ蔓延していくんです」

では、なぜ毒社員は生まれるのか。人材コンサルタントの安藤健氏はこう分析する。

「行動原理にあるのは『自己肯定感の低さ』と『歪んだ承認欲求』です。他人の手柄を横取りしたり善意を装って成果をかすめ取ったりする行為は、自分で自分を認められない、いわば承認欲求の裏返し。新しい仕事を前にリスクややらない理由を並べて正当化するのも、失敗して無能だと露呈するのを防ぐための自己防衛策なのです」

厄介なのは、当の本人には悪意のかけらもないことだ。

「彼らは彼らなりに、整合性のある生存戦略を取っているつもり。本人の前ではいい顔をし、陰で足を引っ張る人を『フレネミー(フレンド・エネミー)』などと呼びます。そんな人も内面では、表面的な人付き合いを維持しながらライバルを出し抜くために“うまくやれている”と思い込んでいる」(山下氏)

こうした認知の歪みを増長させるのが、現代の職場にはびこる評価の“バグ”だ。

「目に見える成果や能力だけで個人を評価し、落ち度や欠点を黙認する空気があると、不適切な行動までもが正当化されてしまう。そんな毒社員が出世して発言力を増し、その振る舞いが職場全体の空気になれば、彼らを手本として模倣するモンスター新人が生まれる要因にもなり得ます」(沢渡氏)

◆毒社員への対処では感情で闘ってはダメ

「そもそも毒は、人間の本性に根差している」と語るのは精神科医の益田裕介氏だ。

「人間というのは、大なり小なり他人に意地悪をしたい本能を持つ生き物。暇つぶしや快楽のために他者をからかったりイジったりする人は、ルールやモラルでは自分の欲求を抑えきれないのです。コンプライアンスの盾が強くなりすぎた現代では、別の形で毒を表現する者も現れました。例えば『あなたはパワハラだ』と逆ギレならぬ、逆ハラを仕掛けてくるような新入社員などもいたりします」

毒社員に対してまともに闘えば心が削られるだけ。この理不尽な職場でどう生き残ればいいのか。益田氏は「まずドライになること」と説く。

「今は昭和の企業戦士的な感情論から覇権国家が世界のルールを無視してでも自国の利益を追求するような実利主義への移行期だからこそ、庶民の我々も給料分きっちり働いて対価をもらうしたたかさが重要。変に期待するからイライラするし、裏切られて傷つく。転職が前提となった会社員生活において、心を開いていいのは、本当に信頼できる相手だけ、と割り切ることも重要です」

沢渡氏も“チーム”で対処する必要があると念を押す。

「『あの社員を放っておくと新人が辞める』『チームのエンゲージメントが下がる』など、あくまで前向きな共通課題として周囲を巻き込むことが大切です。物差しとして最もわかりやすいのが、社是や社訓。これを指さして『あの人の行動は社訓に反していませんか』と、まっとうな正論で外堀を埋めましょう」

事実を俯瞰して淡々と対処することが、あなたの心と寿命を守る結果に繫がるのだ。

◆毒社員の特徴

機嫌次第で、態度や対応がコロコロ変わる

他人の成果を「自分がすべてやった」かのように吹聴する

頑固で、自分と反する意見には全く聞く耳を持たない

権利ばかりを主張し、都合が悪くなるとすぐに「ハラスメントだ」と騒ぐ

【ライフサポートクリニック院長 精神科医 山下悠毅氏】
依存症治療と自己肯定感を高める認知行動療法を専門とする。著書『依存症の人が「変わる」接し方』(主婦と生活社)など
【あまねキャリア代表取締役 沢渡あまね氏】
400超の組織を支援し、職場を蝕む“毒”の生態を知り尽くす。最新刊『ブリリアント・ジャーク 静かにチームを壊す人たち』(三笠書房)
【人材コンサルタント 安藤健氏】
人材研究所ディレクター。採用や研修、評価制度構築を手がける。著書に『転職はタイミングが10割』(東洋経済新報社)など
【早稲田メンタルクリニック院長 精神科医 益田裕介氏】
精神保健指定医。YouTubeチャンネル「精神科医がこころの病気を解説するch」で、メンタルヘルスに関する知見を発信中
※2026年8月4日号より

取材・文/週刊SPA!編集部

―[[隣の(毒)社員]撃退マニュアル]―

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