補欠なし、雑用は監督が担当…アメリカの少年野球が日本と大きく違う理由

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2026年08月05日 07:30  マイナビニュース

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空振りしても「グッド・スイング」、エラーしても「グッド・トライ」。アメリカの幼児向け野球「ティーボール」では、勝敗をつけず、大人たちは失敗した子どもにも惜しみなく声をかけます。



なぜ、できなかったことまで褒めるのでしょうか。子どもがスポーツを好きになり、自信を育てていく独特の仕組みを、『世界の一流は「子ども」に何を教えているのか』(冷泉彰彦/クロスメディア・パブリッシング)から抜粋してご紹介します。

○ポジティブな声かけで育つ野球少年たち



近年ではサッカーやバスケに押されているとはいえ、野球はアメリカの国技(ナショナル・パスタイム)であることは間違いありません。そのアメリカ野球の頂点に立つのがMLBだとすれば、そこに多くの人材を供給する裾野としては、リトルリーグの少年野球があります。



大人の野球よりフィールドが狭く、盗塁に制約があるなど、子ども向けに工夫がされたリトルリーグは、日本にもありますし、日本代表がアメリカで開催される国際大会に勝つこともあります。ただ、実は、アメリカの場合はリトルリーグの前段階として「ティーボール」というものがあることは、あまり知られていません。



この「ティーボール」の「ティー」というのは、大人の選手が静止球を使って打撃練習をする際に、ボールを置く伸縮自在の棒のことです。



ゴルフの「ティー」と同じ原理ですが、ホームベース型の台の上に合成ゴム製の太い棒が垂直に立っており、その上にボールをセットして打ちます。棒が伸縮自在になっているのは、身長に合わせてボールの高さを変えるためです。



要するに、打撃は常に静止したボールを打つのであって、投手は存在しません。これが5歳の子どもたちの野球「ティーボール」です。グラウンドには通常、普通の芝生を使います。

ベースはゴム製の簡易式のものを置いて、もちろんホームベースは「ティー」が兼ねます。



ルールは単純です。棒の上に置かれたボールをバットで打って、フェアゾーンに入ったら一塁に走ります。ゴロやフライを処理すればもちろんアウトになりますが、通常はそんなプレーはまず起きません。



何となく、全員が内野安打もしくは内野エラー的なプレーで出塁していきます。で、結果的にどんどん点が入りますが、それでは攻撃が終わらないので、攻撃側のチームの全員が打ったら、最後のバッターが塁を一周して自動的に「チェンジ」ということにします。



これを繰り返して、約1時間ゲームをしたら、それで終わり。公式には点数を数えないことになっているので、勝敗もありません。お互いに「グッドゲーム(いい試合だった)」と言いながら整列して、ハイタッチの挨拶をしてお開きです。



これを4月から6月のシーズン中に、毎週土曜日の午前中に1試合ずつ消化して、1シーズンが終わりになるのです。



「ティーボール」の特徴は、とにかく子どもを褒めるということです。親もコーチも一体になって、ひたすらに褒めるのです。



ティーボールにも空振りはあります。静止球の上で、バットが空を切る、あるいはボールの下の台を叩いて、ボールがポトリと落ちることもあります。そんな空振りに対して、非難する大人はいません。空振りに対するかけ声は決まっています。どんなに格好の悪い空振りでも、「グッド・スイング」の声が間髪を入れず親やコーチから飛ぶのです。



反対に、バットがボールに当たって、フェアゾーンに行けば、それこそ「グッド・ヒット」であるとか「グレート!」と大変な褒めようになります。



守備も同じです。少しでも捕球に向かって動いたら「グッド・トライ」です。トンネルしようが、落球しようが、親もコーチも大声で「グッド・トライ」。



万が一、本当に捕球でもしようものなら「グッド・キャッチ」の大騒ぎになるという具合です。



まるで「おままごと」の野球ですが、あらゆるプレーを褒める、つまり大人たちが愛情の量を埋め込んでいくことで、子どもたちは人生における幸せな野球との関わりをスタートさせることができるのでしょう。



やがて、子どもたちは投手の投げる「動くボール」を打つリトルリーグに進みますが、そこでも当分の間は、空振りでも「グッド・スイング」、エラーでも「グッド・トライ」のかけ声が飛んできます。



そして、やがて小学校の高学年になり、勝負が本格化して、上級リーグと中級リーグに分かれる頃には、あまりにも「わざとらしい」褒め言葉は少なくなっていきます。子どもたちは、そのことで自分の成長を感じていくというわけです。



以降は、露骨な褒め言葉はなくなります。ですが、大人に近いルールの中学生以上の「シニアリーグ」や、街の花形である高校部活の代表チームといったレベルでも、「雑用は選手にはさせず、監督が黙々とやる」「全員を必ず試合に出場させ、補欠はない」など、独特のポジティブ・アプローチが続くのです。


○『世界の一流は「子ども」に何を教えているのか』(冷泉彰彦/クロスメディア・パブリッシング)


AIが初級の知的労働を次々と置き換えていき、グローバル化がさらに進んでいく時代。一握りの天才だけでなく、「第2グループ」と呼ぶべき、自己管理力と実行力を備えた若者こそが今後ますます求められることになります。では、そうした人を育てるために、親や学校、周りの大人たちは、子どもに何を伝えればよいのでしょうか? 本書の著者は、米国東部のニュージャージー州プリンストンに30年以上暮らし、作家・ジャーナリストとして活動しつつ、現地で3人の子育てを経験。その傍ら、プリンストン日本語学校高等部で、数多くの日本人・日系人の高校生を指導し、アメリカの名門大学に送り出してきた教育者でもあります。そうした経験なども基に、アメリカの大学が思い描く「期待される18歳の人物像」を出発点として、幼児期から思春期に至るまで、年齢に応じてどんなメッセージを子どもに伝えるべきかを具体的にお話しします。

このニュースに関するつぶやき

  • 補欠は球拾いでもやっとけ!!!だったもんな・・・これでは外野守備はうまくなるかもしれんが、打てるようにはならない。某落合がむやみな練習より寝たがましで俺流になるのもわかる気がする。
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