ウーバーイーツ日本法人のブロブキナ・ユリア代表=6日午前、東京都港区 飲食宅配代行業界で、アプリから店舗と同価格で注文できる「店頭同一価格」を導入する動きが加速している。宅配代行市場は右肩上がりの成長が続くが、日本では米国や韓国などと比べ浸透が後れている。「デリバリーは割高」との心理的障壁を払拭し、利用者増につなげる狙いだ。ただ、過当競争を招く恐れも指摘されている。
店頭同一価格のシステムでは、配達コストや手数料を宅配代行業者や利用者が基本的に負担する。注文当たりの利益は圧迫されるが、割安感から注文数増加につながると期待される。
12万店舗超の加盟店を抱えるウーバーイーツ日本法人(東京)は3月、店頭同一価格を導入。ブロブキナ・ユリア同社代表は、「日本の消費者は価格に敏感。物価高騰が続く中、手頃に頼める状況にすることが優先事項だ」と語る。利用者増により、導入した約2万2000店の売上高は、平均約80%増加しているという。
出前館の矢野哲社長も店頭同一価格で「利用者が増えている」と話す。同社では昨年の導入以降、約2万5000店が同一価格を採用しており、矢野氏は「売上高が増えている店舗があるからこそ継続できる」と説明。「ウィンウィン」だと強調した。
「お店と同価格」で急拡大する新興勢力もある。2025年1月にサービスを開始した「ロケットナウ」は、手数料などを無料とした低価格を掲げ、6月にはアプリダウンロード数が700万件を突破。運営会社日本法人のダニエル・ジャラミロ代表は「市場では新しいものが求められている」と語り、事業拡大に意欲を示す。
ただ、外食アナリストの三輪大輔氏は「(店舗側の)価格競争になる面も否めない」と指摘。「店舗の賛同を得られるかが定着のカギだ」との見方を示した。

出前館の矢野哲社長=3日、東京都渋谷区

「ロケットナウ」運営会社日本法人代表のダニエル・ジャラミロ氏=6月5日、東京都港区