「猫は駆除対象と誤った認識が広がる」環境省 “外来種対策リスト”改定案に抗議殺到で異例撤回…識者が訴える不信感

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2026年08月16日 06:20  web女性自身

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環境省と農林水産省が進めていた、外来種対策リストの改定案が土壇場で撤回されたことが物議を醸している。



きっかけとなったのは、「ノネコ」から「イエネコ」へ――。わずかな言葉の変更にも見えるこの表記をめぐり、「飼い猫や野良猫まで捕獲や駆除の対象になるのではないか」と、動物愛護団体や猫を愛する人々の間に大きな不安が広がったのだ。



「結局、行政や獣医師会に利権を生みたいがための改定案だったのかなと…。そう思われてなりません」



そう複雑な思いを明かすのは、日本動物虐待防止協会代表理事で、保護猫カフェを運営する藤村晃子氏(53)だ。



環境省と農水省は8月7日、生態系に影響を及ぼすおそれのある外来種をまとめた「生態系被害防止外来種リスト」改定案の撤回を発表した。全国紙政治部記者が語る。



「今回の改定では、野生化した猫を指す『ノネコ』の表記を、猫全般を示す『イエネコ』へ変更する案が報じられました。すると動物愛護団体などから、『飼い猫や野良猫が安易に捕獲されるおそれがある』という反対の声が殺到し、署名活動も広がったのです。



石原宏高環境相も、『家で飼っている猫まで、逃げたら殺処分されるような誤解を招く』として、急きょ見直しを表明しました。すでにパブリックコメントも終えた段階での撤回だけに、かなり異例の対応でした」



東ちづる(66)や杉本彩(58)ら芸能界からも反対の声が上がるなかで決まった今回の撤回。今回の改定案の問題点を、前出の藤村氏はこう考える。



「最大の懸念は、『猫は駆除対象だから』という誤った認識が広がることです。そうなれば、野良猫や飼い猫を捕獲したり、虐待したりすることまで正当化されかねません。



もともと動物愛護法では、飼い主のいない野良猫であっても愛護動物として保護の対象になっています。それなのに今回の案は、その考え方と真逆にも受け取れるものでした。そこに多くの人が強い違和感を覚えたのだと思います」



街角や公園、住宅街の片隅で暮らす猫たちめぐっては、各地でボランティアたちが地道な活動を続けてきた。なかでも代表的なのが、「TNR」活動だ。アルファベットは、それぞれ「Trap(トラップ)=傷つけないように捕まえること」「Neuter(ニューター)=動物病院での避妊・去勢手術」「Return(リターン)=体調回復後、元の場所に戻すこと」を意味している。



「私たち動物愛護活動をしている者は、TNRを長年コツコツと続けてきました。東京都千代田区などでは猫の殺処分ゼロを達成するなど、その成果も出ています。



もちろん、地域ごとにさまざまな課題があります。でも、命を一律に“駆除”する方向へ進むのではなく、これまで積み重ねてきた取り組みをどう生かしていくかを考えるべきではないでしょうか」(藤村氏)





■「忘れた頃に同じような案が出てくるのでは」と懸念



藤村氏がさらに疑問を抱いたのは、今回のリスト見直しを検討したメンバー構成だった。



「検討会には大学教授や動物病院の院長、国の研究機関の研究員など、そうそうたる方々が名を連ねています。一方で、実際に野良猫の保護やTNR活動に携わっている愛護団体の関係者が委員に一人も入っていないことにも、私は疑問を感じました」



そして、藤村氏は検討会の議論にも目を通したという。



「議事録を調べると、『猫に狂犬病予防接種を義務付けましょう』という趣旨の議論もありました。学術的には猫も狂犬病ウイルスに感染する可能性があるとされていますが、日本国内では長年、狂犬病の発生はありません。



それにもかかわらず、国内で飼育されている900万匹の猫に毎年の予防接種を義務付ければ、飼い主の負担も非常に大きくなります。誰のための制度なのか、という疑問を持つ飼い主が出るのも当然でしょう」



藤村氏は、こうした議論の背景に「利権が生まれるのではないか」との不信感すら抱いたという。



現時点では、予防接種の制度化が決まったわけではなく、その真意についても慎重に見極める必要がある。それでも今回、猫を愛する人々が強い声を上げたことが、改定案の撤回につながったのは間違いないだろう。



「今回は、私たちの反対運動が実って本当によかったと思います。でも、愛護団体の間では『また忘れた頃に同じような案が出てくるのではないか』という心配もあります。



だからこそ、これからも関心を持ち続けなければなりません。検討会で決まる前に、実際に動物と向き合い、命を守る活動をしている人たちの声にも、もっと耳を傾けてほしいです」(藤村氏)



“ノネコ”か、“イエネコ”か――。一見すれば、リスト上の表記をめぐる表面的な問題にも見える。だがその言葉には、人間とともに暮らす猫たちの生命がかかっているのだ。

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