ゲームが“闇バイト”の入り口に…個人情報で脅し「家族さらうぞ」 判断つかない若者が標的か 子どもを守るには?【news23】

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2026年08月20日 15:00  TBS NEWS DIG

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10代を狙う「闇バイト」。「ユーチューバーとゲームができる」という偽の企画で、誘い込まれた中学生とその家族が、取材に応じました。きっかけとなったのは、人気オンラインゲームでした。

【写真で見る】「やれって言ってんだよ!」 現金の運搬役「リクルーター」との通話

「ぶっころすぞ」リクルーターの態度が豹変 トクリュウの手口とは

メンバーを入れ替えながら特殊詐欺や強盗などを繰り返す、「匿名・流動型犯罪グループ」通称“トクリュウ”。秘匿性の高いアプリなどを通じて、実行役となる「闇バイト」を募集しています。

私たちは今回、犯罪で得たとみられる現金の運搬役を集める「リクルーター」の通話音声を独自に入手しました。

応募者
「中身はお金だけなんですかね?」

闇バイトのリクルーター
「中身お金とかキャッシュカードがあるんですけど、開けないでください、必ず。ちょっと汚れたお金なので。何百万相当なので。公園の方まで取りに行ってもらうので、そこで受け取ってもらって、また指定した(別の)公園の方に届けてもらうという感じです」

その後、応募した人はリクルーターにビデオ通話で顔を写すよう要求され、躊躇すると...

闇バイトのリクルーター
「こっち仕事紹介してんだよ。わかるよな?言うこと聞けや、普通に。てめえの顔見せろって言ってんの」

それでも頑なに映さずにいると、突然...

闇バイトのリクルーター
「やれって言ってんだよ!うるせえな!てめぇぶっ殺すぞこら!」

捜査関係者によると、こうした脅しは、トクリュウが人を犯罪に巻き込む際の常とう手段だといいます。

2025年、トクリュウが関与したとみられる強盗事件で摘発された人のうち、約4割を占めたのが10代の若者でした。その中には、闇バイトと知らず応募し、脅されて犯行に加担させられたケースもあったといいます。

その入り口となったのは、オンラインゲームです。

入り口はオンラインゲーム 個人情報を送ると態度が急変

仲間と共に生き残りをかけて他のチームと戦う、ユーザー数5億人以上を誇る世界的に人気のオンラインゲーム。

取材に応じてくれた中学生の少年も、このゲームに熱狂する、ありふれたファンの1人でした。少年が使っていたのは、ゲーマー向けとされるメッセージアプリ。

ある日、このアプリで知らない人物からダイレクトメッセージが届きました。

中学生の少年
「『有名なYouTuberの企画に参加しませんか』と言われて。参加しますと僕が言って。そこからいろいろやりとりをして、『個人情報を送って』と言われて」

「登録者数100万人超えの人気YouTuberと一緒にゲームができる」と誘われたのです。

その条件として求められたのが“個人情報”。相手に急かされ、両親に相談せず、自宅の住所や電話番号、顔写真などを送りました。すると、相手の態度が急変したといいます。

メッセージで送られてきた内容
「もうお前の情報は全部とった。もう逃げられない。警察に逃げたら家族をさらう」

そして、メッセージアプリに人の顔写真をナイフで切り刻んだ動画を投稿するよう、指示されたといいます。

中学生の少年
「(最初の)指示は簡単なことで、多分言うことを聞くかどうか試すためのものだと思うんですけど。すごく怖かったです。心臓がバクバクなるような感じ」

“裏切り者” としてさらされる個人情報 実際に襲撃された人も

要求に応じなかった少年は生成AIの「ChatGPT」に相談し、警察に連絡。その日のうちに、父親は警察から電話を受け、切迫する事態が起きていることを知りました。

“裏切り者”として、少年の個人情報がSNS上にさらされていたのです。

少年の父
「(警察から)『今どちらにおられますか?』から始まって、息子さんと奥様はどこにおられますかと。『今すぐ安否を確認したいので』という話で。殺人予告じゃないけど出てますと。個人情報も全部住所まで出ていて、子どもの写真まで出てますからと」

警察の助言を踏まえて、家族全員で自宅とは別の場所に数週間避難しました。

少年の母
「2週間ぐらいは生きた心地がせずに、みんなが敵に見えてしまって、何か危害を加えられるんじゃないかと」

実は、闇バイトのチャットグループには同様に個人情報が多くさらされています。みな、運転免許証などの身分証を手に自分の顔を撮影しています。

捜査関係者によると、トクリュウはこうした投稿を、指示に従わない人への脅しや見せしめに使っている可能性があるといいます。

実際、個人情報をさらされたある女性が、何者かに襲撃されるケースが起きています。

個人情報をさらされた中学生の両親は、息子の身に何かあってはいけないと、学校の送り迎えをすることにしました。

少年の父「どうやった?」
中学生の少年「何が」
少年の父「学校よ」
中学生の少年「学校?普通だった」

それでも、両親の不安が消えることはありません。

少年の父親
「物事が判断できないところにターゲットを絞って。怒りはあります、すごく」

少年の母親
「生まれた時からネットやSNSが普通にある環境なので、ちょっと軽く考えているところもある。携帯電話を与えるなら、個人情報の保護からしっかり教えてからやらないといけないと思いました」

摘発者の4割が20代未満 ゲームで警戒心を下げる勧誘手口

小川彩佳キャスター:
犯罪グループが入口にしているのが「オンラインゲーム」という、非常に身近なものになっていると感じますが、なぜゲームを使って勧誘しているのでしょうか。

TBS社会部 松田岳 記者:
いきなり「闇バイト」に勧誘するのではなく、まずはゲーム仲間として近づき、警戒心を解いてから勧誘することで、ハードルを下げる狙いがあるとみられます。

今回取材したケースでも、「人気のYouTuberとプレイできる」と声を掛けられ、やり取りを続けるうちにパスポートの写真を撮って送ったり、住所を教えてしまったりしました。

トラウデン直美さん:
私自身、弟や友人がオンラインゲームをプレイしているのを見たことがありますが、見ず知らずの人と一緒に遊ぶことは珍しくありません。むしろ、それがオンラインゲーム特有の面白さでもあると思います。「ゲームがうまい」と褒められたり、一緒にプレイしたりすると、相手への警戒心が薄れていく。ボイスチャットで声を聞くことで、年齢などを探られている可能性もありますよね。

藤森祥平キャスター:
警察庁によると、2025年、「トクリュウ」とみられる強盗の摘発人数は304人、そのうち20歳未満は4割近い116人に上ると言われています。20歳未満の若い世代を意図的に狙っているとも見られます。

TBS社会部 松田 記者:
ある警視庁の捜査員は、犯罪グループは特に、16歳から18歳くらいの年代を狙っているとみています。闇バイトへの警戒が広がるなか、若い世代は警戒心が比較的低く、親の目も届きにくいため、その年代が狙い目だと考えられています。

巻き込まれないために ゲーム会社や社会に求められる責任とは?

藤森キャスター:
ゲームが接触のきっかけになり得る上に、個人情報を一度渡してしまうと脅しの“道具”に使われてしまう恐れもあります。

トラウデン直美さん:
友だちであっても個人情報を送る必要はないので、まずは、知らない人に個人情報を教えないなど、子どもには徹底して教えないといけないと思います。
ゲームやメディア、いろんな媒体がありますが、友だち以外のメッセージは受け取らない設定にすることも必要かと思います。

一方で、子どもはパニックになると冷静な判断もできなくなることもあるため、まずはそういった状況に巻き込まれないような対策をするべきです。

小川キャスター:
だからこそ、子ども自身の警戒心を高めるのにも、それを家族でカバーするのも限界があるでしょうし、社会全体で守る仕組みをつくることが重要になってきます。

TBS社会部 松田 記者:
家族や警察などに相談できる「逃げ道」をあらかじめつくっておく。さらに、ゲーム会社側でも不審な勧誘を検知・排除するなど、全体で子どもを守る仕組みづくりが求められます。

◇◇◇
“闇バイト”に関する情報があれば、
「TBSインサイダーズ」の
サイトからお寄せ下さい。
◇◇◇

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<プロフィール>

松田岳
TBSテレビ社会部 警視庁担当
チャットやゲームで募集される“闇バイト”を取材

トラウデン直美さん
SDGsなどの社会課題に関心
特技は乗馬 初級馬術指導者の資格も

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  • たまにSNSで「ハロワはブラックばかり」と呟いてる奴はリクルーターなのかもな。
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