
8月18日、トランプ政権が国際刑事裁判所(ICC)で日本人として初の所長を務める赤根智子氏らを「制裁対象」とすることを発表して、世界に波紋が広がった。
「制裁対象になると、対象者はもちろん、その家族もアメリカに入国できず、アメリカ国内の資産も凍結されます。
そのため、アメリカの金融機関を通じて決済されるクレジットカードの使用が制限されるなど、あらゆる金融サービス、ネットサービスにアクセスできなくなる可能性があります」(経済ジャーナリスト)
なぜトランプ大統領はこのような強硬手段に出たのか。
「トランプ大統領以前にも、ICCに不満を漏らすアメリカ大統領はいましたが、トランプ大統領のICCに対する敵意は突出しています。
|
|
|
|
その理由として、アメリカとイスラエルがイランを先制攻撃しましたが、『自国防衛』を掲げても、それがICCにより『戦争犯罪』と断じられることを危惧しているのだと考えられます。
ICCは2024年にはガザ地区の戦闘を巡り、イスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状を出していますが、トランプ大統領も自身がそのような立場になることを心配しているのでしょう」(前出・経済ジャーナリスト)
国際機関で活躍する日本人トップが標的になった格好だが、高市早苗首相は8月19日、記者団に対応を問われると、「大変残念に思っています。これからも米国を含む関係国と意思疎通を継続しながら対応してまいります」と短く語るにとどめた。
これにSNSでは「自国民に制裁をかけられてこれだけか」と、疑問に思う意見が多く投稿されている。
高市首相は1月7日、赤根所長の表敬訪問を受けている。その際、自身のXに、ICCが重大な犯罪行為の撲滅と予防のための国際刑事法廷として重要な役割を担っていることを強調しながら《国際社会における法の支配の維持・強化に向けてこれからも日本は両裁判所をしっかり支援していくので、頑張ってほしいと心からのメッセージをお伝えしました》とつづっているのだ。
|
|
|
|
それにもかかわらず、なぜ今回は「大変残念」と言うにとどめたのか。ジャーナリストの青山和弘氏に聞いた。
「高市政権は、中国やロシアとの関係が悪化している今、トランプ政権と摩擦を起こすわけにはいきません。また円安対策や関税を巡る問題でも、トランプ大統領の虎の尾を踏めないのが現状です。
力の支配に対抗する法の支配の維持は、日本の存立にとって生命線ですが、それすらきちんと主張できないジレンマに陥っているのです」
「言うべきは言う」が政治信条の高市首相のはずだが……。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2026 Kobunsha Co., Ltd. All Rights Reserved. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。