
ドン・キホーテが展開する大容量弁当シリーズ「衝撃の一食」が好調だ。2025年2月にスタートし、年間売上高は2億4000万円を超えた。
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コンセプトは「見た瞬間に衝撃を与える」。いずれの商品も総重量500グラム以上で、なかには1キログラムを超えるものもある。店内に厨房を構えるMEGAドン・キホーテなどで販売している。
7月は新商品として2種類を発売した。1つは、約300グラムのグリルチキンをソース焼きそばに盛り付けた「チキンジャンバラヤとソース焼きそば」。総重量は約705グラム、1248キロカロリーだ。もう1つはガーリックライスに約300グラムのチキンをのせた「チキン×甘コーンガーリックライス」で、内容量は約683グラム、1164キロカロリー。価格はいずれも862円だ。
シリーズで最も人気なのは、南蛮ダレをかけた約270グラムのチキンカツをカレーにトッピングした「南蛮チキンカツドーンカレー」(754円)で、内容量は約826グラム、1528キロカロリーだ。唐揚げをトッピングした「とり唐てんこ盛りチリマヨカレー」(754円)も、内容量約726グラム、1255キロカロリーとボリューミーだ。
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ハンバーグ2個に加え、オムライスの中にチキンライスとナポリタンを入れた「超☆衝撃 夢にまで見た巨大なオムライス」(1402円)は、内容量が約1032グラムと1キロを超える。ドンキの公式TikTokでは、配信から18日で249万回再生され話題になった。
8月には、内容量約1230グラムの「超☆衝撃 夢にまで見たミックスグリルディッシュ」(1402円)を発売した。ハンバーグ、グリルチキン、ソーセージ、スイートコーンをご飯の上に盛り付けた弁当で、お盆や夏休みの時期に家族でシェアして食べるシーンも想定している。
●なぜここまで大容量?
ドンキはなぜ、これほど大容量の商品を開発しているのか。
ドンキの運営会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の大?彩香氏(デリカ商品開発担当)は「総菜コーナーで『楽しい』と思っていただける商品を作りたいと思って開発した。売り場で『何これ? すごい』とお客さまが立ち止まり、『うわあ、面白いね』と手に取っていただきたい」と話す。
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目指したのは、単純に量が多いだけの商品ではない。圧倒的なボリュームに加え「おいしさ」「楽しさ」「背徳感」を詰め込むことを意識したという。
「どんなに鮮やかな見た目でも、持ったときに軽かったら『見た目ほどのインパクトがないな』と思ってしまう。重さというのは、ごまかせない価値だと考えている」(大?氏)
一方、量が多いからこそ、味にも工夫が必要だ。大?氏は「しっかりパンチの効いた仕掛けがないと、逆にこの量の多さによって(食べきるのが)苦しい記憶になってしまう」と話す。そのため、開発では「実際に自分が食べきれるかどうか」も重要なポイントにしていた。さまざまなメニューを試しながら、試作した商品は同僚にも食べてもらい、意見を聞きながら改善を重ねた。
単純に1つのメニューを大盛りにするのではなく、1食でさまざまな味を楽しめる組み合わせにすることを意識しているという。「てんこ盛り焼豚マヨ&焼きそば」「重量級タルタルガーリック唐揚げ丼」「隠れハンバーグのガーリックカルボ飯」(いずれも754円)など、複数の料理を組み合わせた商品を開発。新メニューを考える際にはInstagramといったSNSも参考している。
●物価高のなか「体験価値」を訴求
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「衝撃の一食」シリーズは、800円前後から1000円を超える商品まであり、弁当としては比較的高価格帯だ。ボリュームや大きさ、背徳感、食べ切ったときの満足感まで含め、価格以上の価値を感じてもらうことを狙う。「遊び心を持ちながら、今日頑張る人の気持ちを満たすドンキだからできるご褒美飯として、常識を超えて背徳感を詰め込んで作っている」という。
こうした価値を重視する背景には、物価高による消費者の目線の厳しさもある。単純な安さだけでなく、支払った金額に対してどれだけ楽しめたか、満足できたかという「体験価値」が重要になっているという。一方で、せっかくお金を払うなら、思い切り満足したいというニーズもあるとみている。
総菜としては高価格帯だが、外食よりは安い価格設定を狙う。当初は売れるか不安もあったそうだが、想定を上回る売れ行きとなった。
ボリューム感のある商品だが、購入者の男女比はほぼ半々だ。午前11時〜午後6時は女性の比率が約54%とやや高い。主婦などが昼食や夕食の買い出しに訪れた際、家族でシェアする目的で購入しているとみられる。一方、午後6時以降は男性の比率が約62%で、仕事帰りに夕食や夜食用として購入するケースが多い。
売り上げが伸びるのは午後5〜8時で、1日頑張った自分への「ご褒美飯」として購入されているとみている。中心顧客は30〜50代だ。大容量弁当は1人で食べるだけでなく、複数人でシェアすることもできる。そのため、背徳感やコストパフォーマンスを求める幅広い世代から需要があるという。
大?氏は「男性だから、女性だから、というのは今はあまりない。食べたいものの価値に対して対価を払うという考え方だと思う」と話した。
ドンキでは現在、総菜を成長分野の一つと位置付け、さまざまな商品を展開している。「みんなの75点より、誰かの120点。」をコンセプトに、開発担当者が「好きな人は絶対に好き」と確信するメニューだけを提供する「偏愛めし」シリーズのほか、社内料理コンテストで優秀な成績を収めた従業員が考案した「鉄人の一品」シリーズ、税別250円で提供する「ニコプラ丼(ニコっとプライス 250円丼)」などを販売する。
2025年6月期の総菜事業の売上高は630億円。2035年6月期までに2000億円へと引き上げることを目標に掲げる。「衝撃の一食」シリーズもこうした成長を担う商品として、今後もラインアップを拡充していく。
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