
同じ不倫という言葉でありながら、入口も、進み方も、終わり方も違います。妻が夫の裏切りを理解できないのは、その違いに心が寄り添えないから。「だったらしょうがない」と共感できないがゆえに、夫の裏切りを許すことはできないのです。
夫の不倫は「満たされているとき」に始まる
「家庭に不満があるから浮気したの?」女性(妻)はついそう捉えがち。自身が不倫すると仮定したら、その理由は「家庭(夫)への不満」しか考えられないからです。しかし男性(夫)が不倫に至る心理は、妻とは真逆、むしろ家庭が安定しているときです。仕事が乗っている。出世して収入が増えた。もうすぐ子どもが産まれる(妻が妊娠中)。子育ての修羅場を過ぎ妻との関係が落ち着いている──それら生活の「余白」が生じたときに、愛人(となる別の女性)がスルッと入り込んでしまうのです。
満たされているからこそ、遊べる。守るべき家庭があるからこそ、外での火遊びが「魅力的なスリル」に見えてしまう。あげく「恋愛と結婚は別」と都合よく自分に言い訳してしまうのです。
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ただ、理由が不満であれば妻も多少の理解はできますが、満たされている余白の不倫については理解しがたいもの。しかしそこにも「満たされていない」事実は存在します。それは「一人のパートナーじゃ満足できない」という性癖です。おそらく結婚前から片鱗を見せていたはず。
「浮気症」は、妻の努力では治りません。そんな夫とでも結婚生活を維持したいのであれば、夫自身が「浮気は卒業」というステージに移るまで、そのままの夫を受け入れましょう。
身体の浮気から心の不倫へ
夫の不倫のもう1つの特徴は、入口がほぼ「身体」だということです。女性とは性欲のメカニズムが異なるがゆえに、本能に理性が負けてしまいやすいのが男性の最大の弱点です。多くの夫は、最初は本気ではありません。「一度きり」「体だけ」「妻とは比べものにならない」──そう自分に言い聞かせながら始めます。実際、そのつもりでいるうちは、まだ引き返せます。彼にとって浮気はあくまで刺激であり、お金を払って性欲を解消する風俗とそう変わりはないからです。危険なのは、そこに「心」が混ざり始めたとき。
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身体だけの関係は、飽きれば終わります。しかし心まで奪われてしまったら、夫は理屈の通じないキャラに豹変(ひょうへん)します。「本気の恋をしてしまった」ドラマティックな「非日常」に酔い、家庭という「日常」をてんびんにかけ始めます。
ここまで来たら、もはや妻が泣いても子どもに甘えられても届きません。離婚して愛人と生きる未来だけが望みとなる「盲目の妖怪」へと変貌してしまうのです。
不倫の8割は「妻バレ」で終わる
不倫における夫と妻の決定的な違いは、その終わり方。妻の不倫はなかなかバレません。けれど夫の不倫は(ほぼ)確実にバレます。夫自身はバレていないと思っていても、妻は「気づいてて黙っている」ことがほとんどです(笑)。理由は単純。よくも悪くも男性は隠し事が下手だからです。スマホを風呂場やトイレにまで持ち込むようになる。スマホにロックをかけるようになる。急に身なりを気にする。残業や出張が増える。帰りが遅くなったとき、無駄に言い訳が増える。当の本人は完璧に隠しているつもりでも、毎日そばで暮らす妻の勘は驚くほど正確です。
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夫の不倫は、たいてい「妻バレ」という形で終わります。夫が目に余るほど勝手な行動をし始めたとき、家庭を顧みず家族に迷惑がかかったとき、不倫を隠したまま夫側から離婚を切り出したとき……妻は「不倫していることを知っている」と印籠を突きつけるのです。
問題はその後。バレたあと心から反省し、きっぱり愛人との関係を断ち切り「卒業」できる夫はごくわずか。多くの夫は、頭を下げてその場をしのぎ、ほとぼりが冷めた頃にまた繰り返します。痛い目に遭わなかった夫ほど、また「余白の火遊び」の魅力に憑りつかれてしまうのです。
夫の皆さま、もし今「家庭」という安定のなかで心のどこかが疼いているならば、踏み外す前に1つだけ考えてみてください。あなたが賭けようとしている代償(家庭)は、たった一度の刺激と引き換えにするには、あまりにも大きなものです。そして、その賭けはほぼ確実に負けます。完全犯罪が成立するほど、世の中(妻)は甘くありません。
「俺ほどの男を一人の女に独占させるなんて勿体ない」
そこまで開き直れる男性以外、不倫はお勧めしません。
多くの女性にモテる男よりも、家庭という温かさを大切にできる、一番そばで夫を慕う妻を全力で愛するのが「いい男」なのです。
(文:島田 佳奈(恋愛ガイド))

