“ごみ”から作られたガンプラ「エコプラ」 (C)oricon ME inc. BANDAI SPIRITS、花王、ライオンの3社が27日、プラスチック資源循環型社会の実現に向けた共同プロジェクト「くらしのプラでリサイクル!ガンプラプロジェクト」の始動を発表した。
【写真】カラー版の“ごみ”から作られたガンプラ「エコプラ」
この取り組みは、業界や用途の垣根を越え、身近な生活用品やプラモデルの廃材を、新たなガンプラ「エコプラ」へと生まれ変わらせる内容。東京ビッグサイトで開催中の国内最大規模の玩具の展示会『東京おもちゃショー2026』(8月27日から30日まで)にて発表した。
BANDAI SPIRITSでは、プラモデルの製造・販売過程で発生するプラスチックごみの課題に向き合うために、『ガンプラリサイクルプロジェクト』を2021年4月に発足。バンダイナムコのゲームセンターなどを中心に回収ボックスを設置し、ファンの協力によって回収されたガンプラの組み立て後に残るランナーは、2026年3月までに累計約174トンにのぼる。
ライオンでは、2015年6月より使用済み歯ブラシを回収・再資源化する「ハブラシリサイクル」を開始。自治体や生活者との連携を深め、2026年5月までに累計約33.5トン(約268万本/歯ブラシ1本あたり12.5gで試算)の歯ブラシを回収。
そして花王では、2015年より生活者とともに使用済み詰め替えパックを回収し、ブロック等へ再生する「リサイクリエーション」活動を実施。2023年にはライオンと協働で「水平リサイクル」を実現し、2026年3月までに累計約62トンを回収してきた。
「エコプラ」では、回収された使用済みハブラシ約5%(ライオン)、使用済みつめかえパック等の原料約5%(花王)、そしてガンプラの組み立て後に残るランナー約90%(BANDAI SPIRITS)を調合して作られている。
BANDAI SPIRITSの松橋さんは、「各社が回収する樹脂は種類や溶ける温度(融点)が異なるため、1つにまとめてガンプラにするのは非常に難しい挑戦でした」と振り返る。また松本さんは、「静岡のバンダイホビーセンターで長年培ってきた製造技術を結集し、技術の進化のベクトルをサステナブルな方向性に伸ばしたところ、樹脂の違うものを1つの形にするエコプラが出来上がりました。ものづくりの視点でもリサイクルの視点でも、非常に貴重なエコプラができたと思っています」と手応えを語った。
生活に密着したプラスチックを取り扱う花王とライオンも、本プロジェクトに対する強い期待を寄せている。花王の瀬戸さんは「環境の取り組みというと説教くさくなって、子どもたちがちょっとつまらないと感じてしまうかもしれない。それがガンプラになるとワクワクすることを体感して、人々の意識が変わっていくのではないのでしょうか」とコメントした。
一方、ライオンの千葉さんも「歯ブラシや詰め替えパックは日々の暮らしに身近なプラスチック。ガンプラプロジェクトと連携することで、義務感だけでなく楽しさから取り組んでもらえるきっかけになりそうです」と意気込みを見せた。
プロジェクトの狙いについて、BANDAI SPIRITSの松本さんは、次のように強調する。「身近にあるプラスチックをしっかり資源として見つめ直し、ガンプラを通じてリサイクルを身近に感じていただく。ちょっとした分別や各社がやっているリサイクルに少しでも参加し、行動変容を起こしたいという思いでスタートしました。身近なものがガンプラに変わる驚きや興味から輪が広がり、循環型社会につながっていくと信じています」
3社連携のエコプラは、10月17日、18日に「ららぽーと新三郷」で開催される体験型イベント『ガンダムR(リサイクル)作戦』にて無料配布を予定。さらにBANDAI SPIRITSでは、今年7月に累計利用者数が100万人を突破した小学校向けの教育プログラム『ガンプラアカデミア』にも、本取り組みやエコプラを活用していく方針を明かした。未来を担う子どもたちへ向けて、プラスチック資源循環の大切さを伝えていく構えだ。