
ゲーム業界で生成AI活用が進んでいる。開発者向けカンファレンス「CEDEC」では盛んにAI関連の知見が交換され、コンピュータエンターテインメント協会からは、開発者の8割超がAIを使っているとの調査結果も出ている。9月17日に開幕した「東京ゲームショウ2026」(幕張メッセ)でも、ゲーム企業などとの商談を見込み、いくつかのAI関連企業が出展していた。
ゲームでのAI活用と言えば、オンライン発表会での動画生成AI使用が物議を醸したレベルファイブをはじめ、まだまだユーザー側の拒否感が強い領域でもある。こうした状況下で、ベンダーはどういったソリューションを、どんな企業にプッシュしようとしているのか。現地で何社かに話を聞いてみた。
●ユーザーには見えない作業を効率化
AI開発企業のHEROZ(東京都港区)は、ゲーム企業向けの生成AIの導入・活用支援サービスを展示していた。担当者は「大手では活用が進んできたが、中堅・中小規模ではまだ生成AIで何ができるのか手探りな企業も多い」として、こうした企業との商談を見込んでの出展という。
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ただし、主眼を置くのは画像や動画などの生成ではなく、開発やテストの効率化に向けたコンサルティングだ。画像・動画などクリエイティブ分野でのAI活用が炎上につながりやすく、企業が慎重なのは把握していると同社。ユーザーには見えない開発や事務的な業務をAIで効率化しつつ、クリエイティブ分野にリソースを注ぎたい企業の利用を見込むという。
●大手との会話が減ってきた?
SIerのジール(東京都品川区)は、ゲームのシナリオをLLM(大規模言語モデル)で評価・分析するツール「STORYAI」を展示していた。シナリオの文章から、読者の感情をどう動かされるかをスコアリングする他、物語の設定を整理したり、キャラクター同士の関係性を可視化することも可能で、すでに出版社などで使われているという。
同社は2025年にも出展していたが、前回に比べると大企業に所属する来場者とコミュニケーションを取る機会が減り、今回はフリーランスとの会話が増えたと担当者。大手企業は内製でツールを開発し始めているとみており、中堅・中小企業への訴求を強めるという。
●ユーザー側のアップデートも進む
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アドビは画像生成AIなどを活用したアイデア出しを支援する「Firefly Creative Production」や、AIを活用したワークフローが設計できる「Firefly Graph」を展示。午前中から人が絶えず、他社に比べても特に注目が集まっていた。
先述した2社と異なり、中堅〜大企業とのコミュニケーションもあったと同社。ただ、過去の出展に比べると来場者のAIへの理解度が変わってきたといい、「これまでは『AIで何ができるのか』という質問が多かったが『何ができるのかは分かったが、どう使えばいいのか』『他社はどう使っているのか』といった質問が増えてきた」と話す。
●画像生成AIサービスも出展
消費者向けを兼ねたAIサービスの展示もあった。Metanomaly(東京都渋谷区)は、画像生成AIサービス「PixAI」を出展。現地では企業向けのUIを体験できた他、個人向けサービスで生成した画像をプリントアウトして配布もしていた。
記者が訪ねたときは人がまばらだったものの、担当者によれば企業とコミュニケーションする機会もあったといい、企業が慎重な姿勢であることは認めつつ、関心自体は強いと話す。
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「時期尚早という声もあるが、おそらくは(生成画像の)クオリティーの問題と捉えている。クオリティーが人間と同じであれば、道具として認められるはず。まずは、(AIで)クリエイトの仕事を奪うのではなく、皆さんの仲間になりたいというところを理解してもらえればと思っている」(同社)
その他、現地ではAIを活用したローカライズ支援サービスや、3DモデルとLLMなどを組み合わせたAIアバター・AIコンシェルジュサービスの展示も散見された。専門化・細分化・複雑化の進むゲーム開発。効率化は急務だが、一方でAI活用を巡るユーザーとのコミュニケーションは難しい。果たしてこの微妙な均衡がどう動いていくか、そしてAI系ベンダーのビジネスチャンスにはなり得るのか。今後が見物だ。
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